【掌編集】おかしな話

屏風絵の虎2

「屏風絵（びょうぶえ）の虎が、夜な夜な屏風から抜け出して暴れるのだ」

　将軍が少年僧に難題を持ちかけると、少年は一休みして考え、閃（ひらめ）きました。

「異性の虎を描いた屏風を並べましょう！」

　虎二頭が夜な夜な、二つの屏風を行ったり来たりするようになり、ある意味、問題が二倍になりました。