　浦島太郎は、砂浜で子供に苛められていた亀を助けた。

「お礼に今夜、美女の姿で訪ねていくので、嫁にしてください」

「……竜宮城じゃないのか？」

「私より、乙姫さまのほうがいいんですか！」

　何故か怒る亀。

「つーか、雌だったのか、お前」

「嫁になったら私、毎晩部屋に籠もりますので、覗かないでくださいね」

「籠もって何するつもりだ」

「亀の子煎餅を焼きます」

「それ本物の亀、関係ないから」

「私達の子供を焼けと？　酷い！」

　太郎は、次に亀が苛められていても素通りしようと、内心固く決意した。

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