草履とり

 ある冬の日、草履ぞうりを履こうとした武将が、家来に言いました。

「ん、草履がぬくい。さてはお前、尻の下に敷いておったな?」

「滅相もございません。殿の足が冷たくないようにと、この通り、わきの下に挟んでおりました」

「腋の下か、それなら良……いや良くない!」

 怒られました。

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