661~670 金の斧っぽい

普通の斧

 川辺で木を切っていたきこりの手が滑り、斧を川に落としてしまった。すると川の中から女神が現れて、尋ねた。

「あなたが落としたのは、この金の斧ですか」

「違います」

 女神は川に潜り、違う斧を持ってきた。

「あなたが落としたのは、この銀の斧ですか」

「違います。ごく普通の斧です」

 再び女神は潜ると、また別の斧を抱えて戻ってきた。

「あなたが落としたのは、このハルバードですか」

「違います」

 三度女神は潜ると、異なる斧を抱えて戻ってきた。

「あなたが落としたのは、このトマホークですか」

「女神さまの『普通』って何ですか?」

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