節分

 チャイムが鳴ったのでアパートのドアを開けると、赤鬼が立っていた。

「夜分すみません」

 虎皮パンツ一丁なのに、物腰は紳士的。

「どうぞぶつけてください」

 しかも豆持参。恐る恐る受け取り

「鬼は外」

 と軽く投げると、

「有難うございました」

 と頭を下げて帰った。何この罪悪感。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る