カレーに捧げる祈り

OTE

とある地下集会にて

或る惑星に知性を持った海があった。


発生したときにはただの生き物であったは、そう在るべしと定められたかのように、自らを高め続けていった。


自らを改変しつづけ、いつしか様々な薬効を持った成分で構成されるようになった、は。いつしか聖性と呼ばれるものを供えていた。


"海岸"の白は細かい粒でできていて、付近の生物はから分離した汁とその白い粒を混ぜて食している。


太陽が照らし地熱が暖めたその組み合わせは、汁の香りを辺りに振りまき食欲と薬効を増す。程良く温まった海岸の粒は、甘さを増し、付近の生物を魅了した。


一種の万能薬でもあるその組み合わせを、近隣の生物が信仰するのはむしろ当然のことであった。


の聖性によって知性を増した生物の一種が宗教を作り、を讃えた。


はカレーと呼ばれた。聖なるもの、の意味である。


「讃えよカレー! 食せよカレー!」


全ての海はカレーで有り、全ての海岸は食堂であり神殿となった。


祈りを受けたは聖性を高め、生まれた惑星を超えた。


自らの属する太陽系を超え、カレーと呼ばれるそれは近隣の星々を救った。


カレーは銀河を超え、銀河団を、そしてその宇宙を救い、宇宙はカレーに満ちた。


カレーが発生してから遥かな時が流れ、カレーは宇宙を超えることを意思した。


自らの宇宙を超え、全ての泡宇宙に自らの聖性を伝えようと意思した。


その一端が、この地球にもあり、我らの目の前にある。


さぁ、我らも祈りを捧げ頂きましょう。


「讃えよカレー! 食せよカレー!」

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