1人の自分

「準備は整ったぁ!」


 フフフと奇妙な笑い声を出す男、名前はハクジュと言っていた気がする。そのハクジュは頭を抱えながら笑い、わたしに視線を向けた。


「明日香ちゃん、君は今から完成する」


 完成?


「君の求めていた最強で最高。そして最凶の魔王としてさぁ!」


 魔王。


「そう。ずっと求めていただろう?」


 求めていた。でも、


「足りない。まだ足りない。だから、ボクチンが手伝ってあげる」


 違う! 求めていた力は、


「違うことなどなぁい!」


 わたしを中心に四方八方に描かれた大小様々な魔法陣が怪しく輝いてわたしをひかり

で包んだ。


 ……。


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