明日は夏まつり③

『なつみちゃん、おねえちゃんのおともだちになってください。あと、ぼくとも』


「姉ちゃんのお陰で色々と吹っ切れたよ。僕、今そんな顔しているでしょ?」


「うむ、している。魔王であってもたまには我が半身の姉らしい所を見せないと威厳が無くなってしまうからな。


おいおい、『カインさん、明日夢が悩んでいるから声掛けて来て』なんて言っておきながらよくそんなことが言えたな。おいしいところはかっぱらっていきやがったし。


し、知らぬ。そのような記憶はブラックホールに消え去ったわ。


ふふっ、2人とも明日夢くんがいつもと違う雰囲気みたいだったから凄く心配していたけど、いつも通りに戻ったみたいでよかった。そうだ、夏海さんから明日夢くんに手紙を預かっているの」


「手紙?」


 いなくなってからどころかいなくなる前でさえ手紙なんて書いてくれたことのない夏海がなぜ今突然僕に手紙を寄こしてきたのか、そんな疑問を抱きながら僕はその手紙を姉ちゃんサーヤさんの手から受け取った。


「サーヤさん、ありがとうございます。カインと姉ちゃんも。心配かけたみたいでごめん。夏海の事は逃げずにちゃんと解決するから」


「気にするでない。


あぁ、気にするな。


そうです、気にしないで下さい」


 姉ちゃん3人はにこりと笑ってそう言った。





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