いたずら電話
「明日夢ぅ」
珍しく僕の事を『我が半身』ではなく『明日夢』と名前で呼んだ姉ちゃんは目に涙を浮かべながら自分のスマートフォンを僕の耳に押し当てて来た。
「何? いきなりどうしたの?」
「その声は、明日夢か」
どうやら通話中の状態だったらしいスマートフォンから突如聞こえて来たその声はボイスチェンジャーでも使っているのか不自然な機械音声だった。
「誰ですか? 誰なんです、あなた一体?」
「私に答える義務はない」
「どうして僕の名前を、姉ちゃんの電話番号を知っているんですか?」
「ただいま」
僕の質問を無視したその声の主は一言そう告げると通話を一方的に終了した。
「非通知、誰だったんだろう?」
姉ちゃんのスマートフォンの画面には『通話時間 5分55秒』の文字だけが残されていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます