人格の多い姉ちゃん
姫川真
序章
龍帝814年卯月末日
国王陛下の命により、ただの村人であった俺が勇者クドルフ・カインと名乗り始めてからとても長い月日が経ったが、今日という日ほど手の中に汗を握りしめた日は無かっただろう。
俺は旅の途中で出会った力強い仲間たちと共に今、世界に闇をもたらす魔王との最終決戦の為に今まで攻略をしたどんなダンジョンよりも禍々しいオーラを放つ魔王城へと乗り込む。
俺は必ず勝利して、魔王の魔の手からこの世界を救う事をここに誓う。
「アナタ方の長く険しい旅は魔王であるこの私の手によって終末を迎えることで完成する」
「ふざけた事を言うな。俺は勇者だ! 魔王などに屈したりなどしない」
「では、アナタの強さ試してあげましょう。地獄の業火よ、この忌まわしき光の戦士を塵も残さず焼き尽くすのです!」
「この程度の炎、気合で……。ぐあぁぁぁ」
「さらば、勇者。次は……勇者を見捨てて逃げたようね。まぁ、いいわ。フフッ、フハハハハハ。これで私の計画は成功。私は、私は……」
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