編集済
ふうむう。
素敵な、私好みの話なのですが、いくつか引っかかっる部分があって、素直に絶賛しきれない感じ。
一つは、主人公たちの年齢。
最初は高校生を想定していましたが、千紗の幼さを見るに中学生かもと思い直し、でもこれ幻想的な奴?じゃあやっぱり高校生?となったので、前半のどこかしらに高校か中学か明示されてると嬉しかったと思います。
傘を持った千紗は、手首を切った千紗の生霊的なものって解釈でいいんですかね。
最後の耳元で息を感じるのに駆け出すあたりでそう受け止めた次第ですが、もしかしたら勘違いかも。でもまあ、その前に消えてるし、多分そうだと思うんですが。
あれ? だとしたら、特に疑問は大丈夫かも……?
私なら、幻想千紗は小学生当時の姿にしたかもです。描写を絞って、そうとわからないように書いて、最後の場面で読者に提示する、とか。
好みな点は、安易に自殺したり、恋愛に行かない点ですね。
主人公も好感がもてていい感じです。
子供時代、ただファンタジーを信じてるだけじゃなくて、お互いに飴を入れあったりしてわ、それが二人の繋がりになってる点も上手い。
だからこそ、ラストに説得力が出る。巧みな構成がにくいですね。
千紗の人生にも、きっと追試があると思いますよ。
追記:
>主人公たちの年齢は、高校を想定していました。
私もそのくらいだと思ってました。
中学と高校の違いを私が欲しがったのは、序盤の靴に見られるような千紗の幼さ(子供返り?)が、中学生ならあるかもですが、高校生ならまずないだろうと思ったからです。初見の彼女の口調から、これは本物なのか、別の何かなのかと疑っていたので、手掛かりが欲しくて、そういう疑問を提示しました。
まあ、中高生でも個人差はあるので、厳密には言えないんですけどねw
>生霊の千紗は、「子供のころに戻りたがっている、高校生」です。
ここら辺は伝わりましたよ。
最後に現実に立ち返る場面も、そういうものだろうなと違和感はありませんでした。
>彼女が消えた瞬間に、生霊だったことに気づきます。
ここは私の誤読だったかもしれません。
確かに「幻」って言ってますねw
私が「最初から将行は生霊だと知ってる」と思ったのは、千紗の不思議な言動にまったく疑問を抱いていない点からです。
彼氏に振られて自殺未遂で、立ち直れていない状態と消えた直後に説明が入りますが、将行はこの事実を知ってるわけで。
なら、いきなり現れた千紗を見て、普通に受け入れてるのは変だな、と。
なので、最初からわかっていたのかなと思ったわけです。
(今冒頭読み返すと驚いてはいるので、まあどちらとも取れる……か?)
千紗の外見の提案も、そこら辺踏まえてのものなので、そうでなければお気になさらず。
私の想定は、月ノ瀬さんと同じものだと思います。
読者は本物だと思っていて、将行は幻想だと気付いていた。
それを視覚的にわかりやすく演出できるかなと思ったわけでして。
月ノ瀬さんの筆力なら十分書けると思いましたし。
あ、改訂希望とかではないので、ご心配なくw
あくまでただの感想ですので、これ。
>「眠気スッキリ」という商品名の飴をだして、「目を覚ませ」という
これは気付きませんでしたw
してやられた!!!w
作者からの返信
梶野さん
お読みくださり、コメント、評価まで、どうもありがとうございます。
梶野さんのコメントを読んで、なるほど、と思いました。
「生霊(幻想的な)千紗」と「現実の千紗」の区別がつきにくいから、分かりにくくなってしまっているようです。
主人公たちの年齢は、高校を想定していました。
でも、確かに、中学とも、高校とも、書いていませんね……。
作者的には、中学でも高校でも良かったのです(ちょっと、乱暴かもしれませんが)。
「もう、子供とはいえない年齢」と、本人が自覚している年齢であること、というのが、主人公たちの年齢の条件でした。(そのために、中学でも高校でも良い)
「子供のころは良かった」と、逃げたくなる。――でも、「目を覚まさなきゃダメだ」という話にしたかったのでした。
生霊の千紗は、「子供のころに戻りたがっている、高校生」です。
将行に、あれこれ無茶苦茶な、バカバカしいお願いをして、子供になりたがっています。
そのために、幼い言動をしていました。
――でも、分かりにくかったですね。すみません……。
千紗は、子供のときと同じことをしても、子供に戻れるわけもないことは、ちゃんと分かっています。分かっていて、長靴はいてきて、だの、傘をひっくり返して、だのを言っていたのでした。
(駄々っ子は、子供に戻りたかった「心」の表れ、のつもりでした)
最後は、ちゃんと目覚めた千紗です。(ここの千紗だけ、リアル)
ただ、将行は、初めは幻想千紗を本物だと思っていました。「眠気スッキリ」の飴も、現実の千紗に向かって、シャレのつもりで渡したのでした。
彼女が消えた瞬間に、生霊だったことに気づきます。
この書き方のために、【「生霊(幻想的な)千紗」と「現実の千紗」の区別がつきにくい】ということになってしまったようです。
幻想千紗を小学生にすると、区別がはっきりするのですが、将行がどう思っているかが変わってきますよね。
(もっとも、それはそれで、ありかもしれない。読者が見ているものと、将行が見ているものが「違う」のを最後でうまく明かして、ちゃんと伝わるように書くというハードルは……高いかも?)
〉好みな点は、安易に自殺したり、恋愛に行かない点ですね。
ありがとうございます。
普通なら、ラストで、将行が「幼なじみとしてずっと傍にいたけれど、本当は千紗が好きだった」的な告白をする流れになるのかなぁ、と思ったことはあるのですが、この話は、やっぱり、そっち(恋愛)に行かずに終わりたかったのでした。そっちにいったら、テーマがぶれてしまいそうで。
(将行には淡い恋心くらいはあるかもしれませんが、それは、また別の話)
千紗の人生の追試、うまくいくように祈ってください!
(なお。この話は、「お題:作中に『飴』を出すこと」という企画の参加作品でした。
それで、飴と雨でシャレて、さらに、「眠気スッキリ」という商品名の飴をだして、「目を覚ませ」という……シャレでできている……)
この話にお付き合いくださり、どうもありがとうございました。
---
追記もありがとうございます!
初めのシーンは、「え? 千紗? もう外に出られるのか!?」という感じに驚いている……つもりでした。
でも、おっしゃる通り、全体を通してみると「最初から将行は生霊だと知ってる」とも読めるんですよね。
実は、初めて投稿した十年前から、「そう読めるかも……」と、思っておりました……。
けど、締切と文字数制限があったので、「ま、いいか」で、押し切っちゃいました。
将行は千紗の現状を「失恋して、手首まで切ったけど、大事に至らなくて復活した。――けれど、まだ立ち直れなくて『子供のときは良かったなぁ』と、半分、自棄になって、将行に愚痴りに来た」と解釈した――という設定です。
子供のころからよく知っている幼なじみなので、昔から、何かあるたびに、話し相手になってくれた――という、(短編なので、書ききれていない)設定です。
(短編は、文字制限がツライ)
読み返してみると、本当に、粗が多いですね……。うわぁ……。
短編は「読者に対して、必要な情報提供」と、「作者が書き込みたいモノ」が、文字数を取り合っている気がしてきました。(でも、それはたぶん、長編でも同じなんだろうな)
久しぶりに、この話を読み返して、いろいろ考えることがありました。
梶野さん、どうもありがとうございました!
最初はノスタルジックな雰囲気の柔らかなお話かな、なんて思って読んでいたのですが途中からのビックリ展開に一気に現実に連れ戻されたような気がしました。
でも最後にはまた戻ってきたような、そんな不思議な感覚の物語でした!
月ノ瀬さんの現実舞台のドラマは、硬質な文章で柔らかい世界を描くという感じがすごく好きです。
作者からの返信
関川さん
コメントありがとうございます。
子供の頃にやったこと、って、優しい感じがします。とても懐かしくて大切です。
けれど大きくなると、「もう今は、違う」んですよね。厳しいんですが。
そんな、当たり前で、どうしようもないことの辛さと、でも、未来に向かうことは素敵なんだ、そんなことを表したかった作品でした。
普段は非現実世界なので硬い言葉を使い放題ですが、現代ドラマはそれではいけないと、セーブしていたつもり……ですが、出ていますね、やっぱり。好きと言っていただけて、嬉しいです。
こんばんは。
はじめまして。コメント失礼しますm(._.)m
さつきまるさまより紹介を受けて読みに来ました。ちょっと胸が抉られて、言葉に詰まってます(^^;反対にした傘に飴を入れるシーン、お返しのコーラ飴で胸を揺さぶられました。その後の展開……。ちょっと頭を整理してからレビューを送りたいと思います。
素敵な作品と時間、ありがとうございましたm(._.)m
作者からの返信
小森日和さん
はじめまして。コメントどうもありがとうございます。
この作品は、決して明るくはないのに、「素敵な作品と時間」と言っていただけて嬉しいです。
レビューの件、嬉しいです。が、実は、作者の私が、ひとことで「こんな作品です」と説明できない作品なんです。なので、読んでくださった方に「上手く言えない、この感じ」があるのは当然だと思います。(嬉しくて、密かに楽しみにしているんですが)あまり無理をなさらないでください。
読んでくださり、本当にありがとうございました。
何とも熱量の凄まじい短編でした。
途中までは『俺のことを悪く言われても気にならない。でもお前のことを悪く言われたら話は別だ!』みたいに熱い恋愛に発展するのかと思っていましたが、そうではなかった。神様の飴というモチーフは本当に幻想的ですね。
作者からの返信
さつきまるさん
コメントありがとうございます。
恋愛にはなりませんでした。期待させるような盛り上げ方をしていたので、ちょっと申し訳ないです。
今後、恋愛に発展するかもしれない、という雰囲気を匂わせつつ……という感じです。
あそこで切るのが一番「飴」の効果があるなぁ……と。
元になった童謡は実在するのですが、歌詞を書いたらアウトなので誤魔化しています。作中だと幻想的な感じですが、童謡はいかにも「こどものうた」という感じの可愛い歌です。
編集済
甘くはないけど、深い感じ。
この距離感と心の動きの表現が、とても素敵でした゚.*・。゚♬*゜
あとでレビューに伺いますね♪
【ついき】
そう言って頂けますと、とっても嬉しいです✨ありがとうございます。
なんだか恐縮です……(/▽\)♪
作者からの返信
眞実さん
応援コメントにレビューまで、どうもありがとうございます!
レビュー文、全文が素敵でうっとりです。
中でも、好きなのがここです。
「あんまり甘くないし、結構刺激もある。
けれども深い優しさに満ちていて、そっと寄り添い、支えてくれる。」
言いたかったのはここ! ああもう、本文要らない! ここ素敵すぎ!
――はしゃいでしまいました。
最後の一文もバシッと決まっていて、雨の6月中に投稿できてよかった! と思いました。
どうもありがとうございました。
『雨タマ4000企画』にご参加いただきありがとうございます。
幼なじみである彼らの距離感がなんとも微妙で、けれどそこがこの作品を最後まで読ませ切るひとつのファクターになっていると感じました。
二人の間に明確な恋愛感情などがあれば甘ったるくなり過ぎてそうはいかないと思うのです。
彼は彼女のことを大事に想っていながらもちょっと突き放すような言動を取ったり、あるいはめんどくさそうな素振りをして、その気持ちを悟られないようにしているところにリアリティを感じます。
そして彼女の方も辛い目に遭い過ちを犯した自分を慰めてくれるのは彼だけだと心の奥底で分かっているからこそ、その心だけが乖離して彼と無邪気に遊ぶことを欲したのでしょう。
二人は根っこで強く繋がっているのですね。
これからの将来、二人がどうなっていくのか想像するとちょっと幸せな気持ちになれる気がします。
素敵な作品を読ませていただきありがとうございました。
作者からの返信
那智さん
企画を主催してくださり、どうもありがとうございます。
新作ではなく、旧作での参加で申し訳ございません。
ですが、お気に入りの作品を、日の当たるところに置く機会をいただけて、嬉しく思います。
はい。幼馴染の彼らは、「恋愛」の関係ではありません。
ひょっとしたら、もう少し時が過ぎたら、そうなる可能性はありますが、今は幼馴染。
だからこその距離感や、言うことのできる言葉があるかな、と思いながら書きました。
(主人公の言葉が少しきついのも、恋人ではなくて、幼馴染だからこそ、だと思います)
そんな微妙なところを感じ取ってくださり、どうもありがとうございます!
幸せな方向での、ふたりの未来を想像してくださり、嬉しいです。
ちょっと暗い感じもある作品なので、だから、ラストは明るい感じで終わらせるぞ、という思いがありました。
こちらこそ、お読みくださり、コメントまで、本当にどうもありがとうございました。