壊れた道化師と偽りの団長

a.p

第1話ここが学園サーカス

痛い…此処はどこなのだろう…

さっきまで…僕は家に…

痛む頭を押え、僕は倒れていたらしい地から起き上がった…

“やぁ…お目覚めかい…?”

僕の心情を悟ったかのように仮面を被った男がクククと笑いながら言う…

「お前は誰だ…そして此処は…?」

“口の聞き方がなっちゃいないねぇ……”

男はハァとため息をつき声色を冷酷に変えて述べる

“私は団長…そして貴様は道化師ピエロだ……立場が上の者に聞くときは敬語を使え”

シュッと風斬り音と共に僕の頬に痛みが走った

“ッ!……”

ムチ

アイツの振るった鞭が、僕の頬を掠めたのだ

あまりの衝撃、苦痛に僕は悶え、団長とやらを睨み付けた

“ほぅ…あくまで反抗的を貫くか…道化師ピエロの分際で…”

「ピエロってなんだよっ…」

“教えてくださいませ、団長マスター。と言えたなら教えてあげましょう”

不気味にクククと嗤いながら団長はゆっくりと僕に近付いてくる

こいつっ…!頭に乗りすぎだろっ…!

「言うわけねぇだろっ!!お前みたいな得体の知れない奴にっ!なんで僕がそんなことっ!」

“お前は売られた。世界に…そしてそれを私が買った…お前は私の所有物であり駒だ…”

誰が…売られたって…?僕が…?

なんで……大体僕は………アレ…?

なんでっ…!思い出せないっ…!

僕は誰で…一体今まで何を…

“お前は私の道化師ピエロ。それ以上でも以下でもない…”

「違うっ!!僕はそんなんじゃないっ!!」

混乱して逆上した僕に、団長は容赦ヨウシャ躊躇チュウチョも無くナイフを投げた。

“黙れ───”

圧倒的主の完全掌握、冷酷無慈悲な声色で僕は一切の動きを封じられ、ナイフが僕の腹の中心を貫いた。

「ッ!ア”ア”ア”ア”ア”ア”ッ!」

痛い。いたい。イタイ。

“……あっ…!…すいませんね…的中させるつもりは無く…牽制ケンセイのつもりだったのです…”

軽く団長が僕の腹に手をカザすと腹の傷とナイフはマタタく間に消え去った…

よくもッ!…

こいつは人間ヒトなんかじゃない…

人を人とも見なさない怪物バケモノだ…

“貴方が私を何と思っていようと構わないですが…お客様オーディエンスの前でもそんな態度じゃ困るんですよ…”

何がお客様だっ…!

「説明してよ…!」

“仕方ないですね…先程のお詫びに教えましょう。此処は人呼んで学園サーカス…私達の芸で人々に笑顔を提供する場所ですよ…”

「はぁっ!?なんなんだよっ!学園サーカスって…!」

ただの見世物小屋じゃないかっ…

“ほぅ…お気に召しませんでしたか?”

気に入るわけないだろっ!!こんなワケわかんないとこっ!!何を考えたら気に入るっていう思考になるんだよっ…

“なら……無理強いしてでも気に入って頂きますよ…”

クククと笑い団長は再び僕の腹に手を翳す。

瞬間に痛みと傷が甦り、僕は呻き声をあげる

“そんなに痛いのですか…治してあげますから落ち着いてください…”

お前がやったんだろっ……!

さっさと治せっ…!?

団長が仮面を外して…っ!?/////

「なんで舐めてんだよっ!」

“この方法が一番便利なんですよ…色々と…ね”

クククと笑いつつ僕の腹を舐めるのをやめない団長。

その顔はあまりにも妖艶ヨウエン美麗ビレイを極めていた…

「んぁっ…」

くそっ…こんなっ…奴なんかにっ…!

いつの間にか傷は塞がっていた。

「もっ、もう良いだろっ!やめろよっ!!//////」

“嫌ですよ…だって…*****ですから…”

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