第2話 スキルを作ろう 魔法の使いすぎに注意

と言っても、最初は運動能力系から。


何せ幼児の体は動きにくい。そこで体力促進系と敏捷性促進系の2系統を作ることにした。


「クリエイトスキル フィジカル・ストレングス・リインフォースメント・スピードアップ」


これで「体力増強速度向上」が出来た。


「クリエイトスキル メタボルシム・スピードアップ」、新陳代謝速度向上だ


「クリエイトスキル リフレックス・ネルフ・スピードアップ」、反射神経速度向上。


「クリエイトスキル マスキュラ―・ストレングス・リインフォースメント」、筋力増強の向上だ。


「クリエイトスキル リフレックス・ネルフ・リインフォースメント」脳神経の増強だ。



しっかし、俺、いい加減にスキル呪文ネーミングしてるな・・まあ大体あっていればいいか?



そこ、何とかムーンに似てると言わないの!まあ、天界のお袋は月の神だが。


ついでに言うと、あの声の持ち主がやった海賊の姫は風の谷の何とかの姫の元ネタだ。


ネルフ・・気にするな神経って意味だ・・



これで体は動きやすくなったのだけど、新陳代謝が激しくってお腹が減る。そこで、母乳タイムとなるわけだ。


俺の世界では、7歳ころまでが授乳期間だ。決して異常ではなく、本来の人間の授乳期間は3歳から7歳あたりと言われているが、遅くなればなるほど知能指数の向上が見られるともいわれている。


ある意味、某漫画の001は永遠の乳幼児。つまり、授乳期間がめちゃ長いというわけであるがこれを踏まえれば、知能指数も高くなっているという設定が意外と理にかなっているのだ。


ついでに、魔力の増強もしておくことにした。


基本的には魔力変換能力、マナを体内に取り込む能力だ。


あと2つは魔力蓄積能力と魔力放出能力。


この3点を向上させればいい順に、呪文を唱える。


「クリエイトスキル アビリティ・マジカルパワー・コンバーション・インプロブメント」

「クリエイトスキル アビリティ・マジカルパワー・アキュムレーション・インプロブメント」

「クリエイトスキル マジカルパワー・リリーシングアビリティ・インプロブメント」


あとは、体力強化に重力魔法も欲しいな。


「クリエイトマジック グラビティ・オペレーション」、重力操作だ


ここまでの俺の状態は・・・


「ステータス ポテンシャル」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前 アシャ・フォン・ムルマーシュ

生命ポイント(HP)   10/10 [1000/2000] 

生命回復能力(HC)   1ポイント/1時間[1000ポイント/1時間]

最大魔力変換能力(MC)   10ポイント/1時間[1000ポイント/1時間]

最大魔力蓄積能力(MP)   10/10[5000/5000]

最大魔力放出能力(MR)   10[5000]

頭脳レベル 2 [19(19歳相当)]

スキル [ステータス操作]、[魔法創造]、[全魔法適正]、[魔法付与]、[魔法コピー]

    [エリア探査]、[鑑定]、[スキルコピー]、[スキル創造]、[ステータス隠蔽]

[時空泡操作] 、[体力増強速度向上] 、[新陳代謝速度向上]、[反射神経速度向上]

[筋力増強向上]、[魔力変換能力向上]、[魔力蓄積能力向上]、[魔力放出能力向上]

[脳神経向上]

魔法  [重力制御]

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ある意味怖いな・・」


俺は汗を垂らした・・



この日から俺の体力作りが始まった。1歳半の幼児が廊下を走る・・だだだだだ・・


「うるさい!仕事にならん、外でやれ!外で!」と親父に追い出されてしまった。


そして俺の遊び場は館の庭になった。



庭を走り回った後、砂遊びだ。そして俺は砂山に正拳突きを何度も喰らわせていた。


石があれば、「よっこらしょ」っと持ち上げたりして筋力増加に勤めた。


運動能力は、滅茶上昇したが、ちょっと問題が起きた。


物を持ち上げようとすると、姿勢によっては俺が浮き上がってしまうのだ。


そこで、運動中は重力制御魔法をかけ、3倍の重力下で運動している。


そして、俺が3歳を過ぎた時、事件は起きた。


町中に暴れ猪が出たのだ。その大きさは俺からすれば小山の様だった。


さらに、幾人かを跳ね飛ばした猪は塀を飛び越え、俺がいる館の中庭まで駆け込んできた。


周囲にいたメイドから悲鳴が上がる。


組みやすしとみた猪は俺を目掛けて突っ込んできた。


誰もが俺が跳ね飛ばされると思った瞬間、目を伏せた。


「どりゃぁぁ!!」・・ドッゴーン!!


恐る恐る目を開けると、猪の額に俺の手がめり込んでいたのだ。


俺が、手を離すと、手から血が滴り落ちた。


そして、数秒の時間をおいて・・ズドドドンと音を立てて猪が倒れたのだ。



はっと、我に返った執事が俺の元に駆け寄り、俺に怪我がないか入念に調べている。


この時、数人のメイドが気絶していた。


レムリアは泣きじゃくっていた。


親父と母は飛び出してきて俺を抱きしめ大泣きしていた。


執事の指示で、水が入った桶が用意され、俺の手を洗ってくれた。


この時、俺の体に怪我がないことが告げられ、全員安堵したのだ。



そこへやってきた祖父が「何事か?」と騒ぎの事を糺した。


父は一部始終を話し、俺が猪を倒したことを告げた。


「ふむ、龍の片鱗をみせたか。さすがに儂の孫だ」


「龍の片鱗?」


「そうだ、時折異常な能力を見せるようになるぞ」と祖父。


「はあ」


「何を今更、龍の嫁を貰ったら覚悟しておけと言っておいたではないか?」


「いきなり、その様なものを見せられて驚いております」


「まあよい、初めてならそのうろたえ方もわからんでもない。今宵はそこな猪を肴に宴としよう」


「はい」


その夜は、祖父も交えての晩さん会になった。もちろん主役は俺。



実は、猪を倒した時、俺の手には筋力強化の為に重量が5kgあるガントレットが装着されていたのだ。


これで正拳突きをかましたわけだが、体重12kgを重力魔法を使い、50kgにしていたのだ。


重量と高速の正拳突きの両方が合わさって、猪の頭の中にめり込んでしまったというわけだ。


そして、ガントレットは中で引っ掛かり、手をそこから出した時ぬけてしまった。


そして、素手が現れたため、俺が単純に正拳突きで倒したかのように見えたのだ。



あとは、祖父の使っている、「ウズメの加護」と「ツクヨミの加護」を覚えたいのだが成龍にならないと難しいらしい。



そして翌年の春、フェリス卿が怒鳴り込んできた。


フェリス卿は俺の父方の祖父になる。


「陛下、私どもに跡取りをくださるお約束は如何なりましたでしょうか?」


「うむ、二人には子づくりにはむようにと入ってあるのだが・・」


「まだできないと?」


「うむ・・」黙る祖父。


「陛下、フェリス様、申し上げたき儀が」とレムリア。


「何だ申してみよ」と祖父。


「お二方とも・・その・・毎晩励まれているご様子です」とレムリア。


「どういうことか申してみよ」


「はい、奥さまがアシャ様に何かあるといけないからと私に感覚共有をかけているらしく・・その、それを情事のさいに切ることを忘れる癖があるようです」


「というと?」


「真夜中の秘め事が私にも感覚として伝わってくるのでございます」と真っ赤になって言うレムリア。


「「・・・・ぶわっはっは」」二人は大笑いしだした。


「もしかして、お前に乳が出るようになったのも?」


「かもしれません」


脳神経が刺激され、乳腺ホルモンが出たというわけだ。


「しかし、毎晩とは・・それでもダメか・・」


「「うーん・・」」唸る二人。


「あの、お館様?」


「なんだ」


「奥方様の容姿ですが、アシャ様をお産みになってからほとんど変わっていないようにお見受けします」


「どういうことだ?」


「女性は子供を産んでから体系が変わるものですが、それが見受けられないのです」


「そういえば、まだ童顔だな」


「はい。既にアシャ様をお産みになられてから4年たちますが、未だに若いのです」


「まさか・・・」


「そのまさかかもしれません。ツクヨミの加護を自らおかけになられている可能性がございます」


「うむ、これは確かめねばならぬ。ツクヨミの加護を付けたままなら子供はできぬ」


「誰かある、ガルファとスセアを此処に呼べ」


「畏まりましてございます」と執事


しばらくして、二人がやってきた。


「お呼びでございましょうかお父様」


「お呼びでございましょうか陛下」


「うむ、其方らを呼んだのは他でもない。確かめたき儀があったのだ」


「といいますと?」


「スセア、お前、ツクヨミの加護を掛けて居らぬか?」


「はい掛けております」


「なぜかけたのだ?」


「はい、いつまでたってもレムリアが若々しいので、ガルファ様がレムリア同様、美しい、今のままの姿でいてほしいと・・」


「真か?ガルファ」とフェリス卿が聞く


「はい父上、その様な魔法があるなら是非にと私が勧めました」


「・・・・・・」


「申わけございませぬ陛下。愚息の問題でございました」


「いや、儂の問題でもある。もう少し説明しておけばよかった」


「ガルファ、スセア、両名に申し伝える、ツクヨミの魔法は子供があと2人生まれるまで禁止とする」


「「ええ??」」と驚く二人。


「ち、父上何故にございますか?」


「かけている間はお前の成長が止まる。つまりお腹の中で子供がいたとしても成長しないという事だ」

絶句する二人。


「これは皇帝として命令する」


「「はい」」と頷く二人。


「それと、夜はレムリアとの間の感覚共有は切っておくように。レムリアは初代様がお認めになったアシャの将来の嫁だ。信用してやれ。」


「はい。でもなぜ今更?」


「まだ15のレムリアから女の色香が漂ってきてたまらん。言いたいことはわかるな。」


「はい。」真っ赤になるスセア。



翌日の朝、レムリアから女の色香が漂ってくることはなくなった。


でも・・朝の入浴は健康にいいからとこれ以降も二人で一緒に入った。



そして、3カ月後、母の懐妊の知らせがフェリス卿の元に届けられ、フェリス卿は狂喜した。

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