第1章 嫁は転生者
第1話 誕生したら嫁がいた
「おぎゃあ、おぎゃあ・・・」皇宮の片隅で産声が上がった。
俺様の誕生である。
しかし、目も開けられないので暫く眠ることにした。
俺が、目を開けてもぼんやりとして何が何だかわからない。ただ声だけは聞こえるので、何を言っているのか周囲の会話から分かった。
周囲の話声から、俺の名前と家族の名前が分かった。
俺の名は、アシャ・フォン・ムルマーシュ。
親父の名は、ガルファ・フォン・ムルマーシュ。
俺の母の名は、スセア・フォン・ムルマーシュ。
祖父の名は、スサ・フォン・ムルマーシュ。通称、スサ・ムルマーシュ皇王と呼ばれている。
この他、いつも一緒にいる侍女の名前がレムリアと言うところまでだ。
ある日のこと、レムリアが、「奥さま、私もアシャ様に母乳を与えてもよろしいでしょうか?」と言った。
「え?あなた、まだ子供も生まれてないのに母乳が出るの?」と母。
「はい、奥さまが母乳を出した日当たりから、なぜか出るようになりました」
「妊娠もしていないわよね?」
「はい」
「魔法は掛かったままよね?」
「はい」
「ちょっと、お父様に相談するしかないわね。ちょっと来て」と皇王の間へ連れて行った。
皇王の間で「お父様、レムリアから母乳が出ると・・」
「母乳じゃと?うーん・・」
「思い出した、それは想像出産だ」
「「想像出産?」」
「うむ、龍族のお産を見たものは自らが出産した気分になり、体もそれに合わされてしまうのだ」
「つまり、龍族の出産は強烈な母性本能を引き出してしまうという事だ」
「そういえば、産婆はレムリアにやってもらったわね」
「おそらくそれが原因だな。いくらツクヨミの魔法がかかっていても、魔法より神聖な母性本能には敵わんのだ」
「そんなことが・・」
「うむ、昔、鰐族でも同じことが有ったそうだ。その時の乳母が生まれた子の妻となったそうだ。この子たちと同じだな」
「そういう事であれば、レムリア、アシャの乳母もお願いしますね」
「はい、奥さま」とレムリアは破顔した。
その日から、16歳(見た目15歳)の乳母が俺に付くことになった。中身が18歳の俺は17歳の母と、15歳の娘の乳をしゃぶっていたのだ。しかし、赤子。欲情できる体ではない。
1歳直前の俺は、自分のステータスを確認することにした。
ステータスの発音が出来るようになったからだ。
「ステータス!」
俺の前にステータスが現れる。
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名前 アシャ・フォン・ムルマーシュ
父 ガルファ・フォン・ムルマーシュ / 母 スセア・フォン・ムルマーシュ
妻 レムリア(未来)[だけで済ますわけが無かろうbyじじい]
年齢 0歳[頭脳は19歳]
種 人化した神龍
称号
[転生せしもの]、[初代ムルマーシュ皇国皇王の転生者]、[前世の記憶持ち]
ムルマーシュ皇国皇子、ハーレム体質、父のハーレム称号を奪いせしもの
レムリア大好きっ子、[体は赤子で頭脳は大人]
醜女に見られしものの正体を見る事が出来るもの(ウズメの加護)
職業 皇子
生命ポイント(HP) 10/10 [1000/1000]
生命回復能力(HC) 1ポイント/1時間[100ポイント/1時間]
魔力変換能力(MC) 10ポイント/1時間[100ポイント/1時間]
魔力蓄積能力(MP) 10/10[500/500]
魔力放出能力(MR) 10[500]
頭脳レベル 2 [19(19歳相当)]
スキル [ステータス操作]、[魔法創造]、[全魔法適正]、[魔法付与]
[魔法コピー]、[エリア探査]、[鑑定]、[魔力吸収]
[スキルコピー]、[スキル創造]
[ステータス隠蔽]、[時空泡操作]
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「・・・・何じゃぁこれは!」
「ハーレム称号を奪いし者って・・ハーレム体質って・・じじいの仕業だな」
「[]カッコは隠蔽されているわけだな」
次いでにレムリアのステータスも見る
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名前 レムリア
父 ランゼ(故人) / 母 エトラ(故人)
夫 アシャ・フォン・ムルマーシュ(未来)
年齢 17歳(成長年齢15歳固定)
種 人
称号
[転生せしもの(記憶なし)]、[初代ムルマーシュ皇国皇妃の転生者(記憶なし)]
ムルマーシュ皇国皇子妃(予定)、アシャ大好きっ子
永遠の15歳(ツクヨミの加護)
醜女に見られしもの(ウズメの加護)
職業 侍女(奴隷)
生命ポイント(HP) 20/20
生命回復能力(HC) 1ポイント/1時間
最大魔力変換能力(MC) 10ポイント/1時間
最大魔力蓄積能力(MP) 10/10
最大魔力放出能力(MR) 10
頭脳レベル 17(17歳相当)
スキル 家事 洗濯 家庭料理
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既に、俺と結婚することになっている・・まあ、可愛いからいいか。
え?初代ムルマーシュ皇国皇王と皇妃だと・・そう言えばそんなこともあったな。
たしか、あの時は子供が出来なくって、養子を貰ったんだっけ・・
という事はあの時のリベンジという事になるのか。
俺の1歳の誕生日、俺の称号を見た親父は落ち込んだ・・
自分のステータスをみて「息子にハーレム称号を奪れしもの」という称号が現れたのだ。
そして一言、「俺は妻しか愛せないのか?」と・・母はニコニコしたのは言うまでもない。
「あら、この子ったら、もうレムリアを奥さんにしてるわ。仮ですが・・」
「おお、本当だ」と父。
「まあ将来が楽しみだな」と祖父。
この日を境に、レムリアに変化が現れた。
なぜか、朝には女性特有の臭いがムンムンしているのだ。
「奥さま、昨晩頑張ったみたい。私、奥さまと奴隷契約で繋がっているから私にも影響出ちゃうみたいだわ。乳が出たのもこの影響かな?」と言っていた。
そのうちに、弟か妹が出来るみたいだ。
こういう日は朝から入浴となる。さすがに、親父と母の公務に影響が出るからだ。
先に、親父と母が入って、その後に俺とレムリアが入るのだ。
母はレムリアから匂いがしていることに気が付いていて、入浴をするように指示した。
これ以降、入浴は俺とレムリアが一緒に入ることになった。
このころ、映画「ブリキの太鼓」の情景が俺とレムリアの間に広がってるのだと思いたいが、俺はまだ1歳でオスカルの様に欲情できなかったのだ。
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