第25話 パジャマパーティー
昼食を頂いた後、場所を庭園の
「お城の庭園って思っていたより広くないんですね。」
開口一番カトレアさんがうっかりそんな事をおっしゃいました。
たしかにそれは私も思っていたんです。怖くて声には出せませんでしたが。
広いのは広いんですよ綺麗だし、ただお城の庭園っと言えば、国中の貴族様が大集合のガーデンパーティーをしても十分な広さがありそうですのに、今いる庭園ではちょっと厳しいのではないかなぁ、のレベルなんです。
「カトレアさん、失礼ですよ。」
リリアナさんがすぐにカトレアさんに注意をされます。ミリアリア様がいらっしゃいますからね、貴族社会に厳しいリリアナさんは敏感なんです。とはいえ、今の発言は私もちょっとびっくりしましたよ。
「あっ、申し訳ございません。そんなつもりで言った訳ではなくて・・・。」
「いいわよ、そんな事で咎めたりするつもりなんてないから。ただ、貴族社会の中では自身にその気が無くても、問題になることがあるから、注意はしたほうがいいわね。」
私達の第一目標は、貴族様のお屋敷で侍女としてお仕えする事ですから、その辺は慎重にならなければいけませんね。
「カトレアさん、こちらは王家の方々のプライベート庭園なのです。高位の貴族様とて簡単に立ち入れる場所ではないんですよ。」
「そういうことよ。ガーデンパーティーなんかをする庭園は別の場所にあるわ。」
プライベート庭園ですか!いやいやその前に簡単に立ち得れる場所じゃないって、私達平民が入ってもよかったんでしょうか?今更ながらとんでもないところに来ていると実感させられます。
「それにしても、この
パフィオさんが庭園を見渡しておっしゃいますが、たしかにお城って何百年もたっているはずなのに、この庭園はそんなに年数がたっている感じがしませんね。
「パフィオさん、それは・・・。」
「リリアナ、いいのよ。ここの庭園は6年程前に作り直しているのよ、以前賊に侵入された事があってね、それ以来この庭園を作り直して、賊が侵入したときの為に各所に罠が仕掛けてあったり、花壇や生垣が侵入の妨げになるよう設計され直しているのよ。」
リリアナさんが何かを言いかけられましたがなんだったのでしょう?
それにしても罠ですが、あまり歩き回らないほうがいいのでしょうね。
「罠と言っても普通に歩き回っても大丈夫だよ。」
「そうなのですか?」
「常に罠が発動できる状態だと、誰かさんが罠に掛かっちゃうのよ。」
「ミリアリア様、さすがにアリスさんでもそれは無いのではございませんか?」
「「「ぶふっ。」」」
リリアナさん、ミリアリア様はアリスさんとは一言もおっしゃっていませんよ?まぁ私もアリスちゃんの事だとは思いましたけど。
「リリアナさ~ん、どうして私だって決めつけるんですかぁ~~?」
「あっ、私、アリスさんって言いましたかしら・・・。」
リリアナさん、しまった!って顔をして目線をそらされましたよ。
「あはは、現にアリスが引っ掛かったんだからしかたがないでしょ。」
やっぱりアリスちゃんだったんだ・・・。
「ぶぅ~~~。」
その後、庭園やお城の中を見て回ったり、お茶会をやったりと普段では到底経験することができない時をすごし、無事に晩食も頂き(今度もまた侍女さん方が気を利かせてくださったのか、私達6人で頂きました。)、アリスちゃん待望のパジャマパーティーの時間がやってきました。
「ん~~~、やっとドレスから解放されたよぉ~~。」
一旦アリスちゃん達と別れ、お借りしている部屋でドレスを脱がせて頂いて、湯あみを終え、ようやく普段のパジャマを着ることができ、やっといつもの自分の戻れた気分ですよ。
「ふふ、ココリナさんお疲れ様です。」
「リリアナさんは余裕がありますよねぇ~。」
長時間コルセットで締め付けられて、着慣れないドレスを着て、スカートが広がるようにクリノリンを履いたりと、私のHPは減り続けましたから!
「私もドレスを着たのは初めてですよ。どちらかというと、パフィオさんの方がドレス慣れをされていたように見えましたが。」
私もそれは薄々感じていたんです、なんというか要所要所で姿勢が整っているんですよ。
「あぁ、私は・・・。」
「お待たせ皆ぁ。」
話の途中でしたが、着替え終えられたアリスちゃんとミリアリア様が部屋へ入ってこられました。
「わぁ、皆、可愛いぱじゃまだね。」
私達は普通のワンピースタイプのパジャマに対し、アリスちゃんとミリアリア様はお揃いのフリルとレースが施された可愛いネグリジェを着られています。
「何かの話の途中だったみたいだけど、何を話してたの?」
話を途切れさせてしまった事をおっしゃっているんでしょ、ミリアリア様が聞いてこられます。
「パフィオさんが私達の中で一番ドレスなれしていたなぁって話していたんです。」
「・・・? ドレス慣れって当然でしょ?伯爵令嬢なんだから。」
「「「「・・・・・えっ?」」」」
「あれ?・・・もしかして言っちゃダメだった?」
ミリアリア様がやっちゃった!って顔でパフィオさんを見ておられますが・・・。
「あのぉ~、パフィオさんって・・・そうなんですか?」
「あぁ~~~、まぁ、いちお、そういう事になる・・かなぁ・・・。」
なんだかパフィオさんの言い方が歯切れが悪いです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます