第17.1話 続ココリナちゃんの苦悩(ココリナ編)

あああ、アリスちゃん!


アリスちゃんがお兄さん、いやいや、おうじさま!

そう王子様に誘拐!いやいや、連れていかれて・・・、今なんつった!?

(ミリィのお世話をお願いね、ねぇ・・・ねぇ・・・・。)


「ねぇ・・じゃないよ!アリスちゃん!」

「もう行ったわよ。」

「はっ!」

目の前にいる、いやいや、おられるのは、この国の第二王女様こと

「ミリアリア王女・・・さま?」

「ん?なに?」

ぎゃぁ~~~~~~!!夢じゃなかったよ!!


「ミリアリア様、王妃様の言伝ことづて でアリス様のドレスをお持ちしているのですが、お届けしに行ってもよろしいでしょうか?」

「さすが母様ね、生徒会棟にいると思うから届けてあげて、ココリナも正常に戻ったみたいだから、こちらは大丈夫よ。」


隣におられた侍女さんがアリス・・えっ?様!?

いやいや、この際もう受け入れよう、アリス様のドレスを持ってきていて、届けたいと言ってますよ。

そそそれより、あ、あ、あ、アリスちゃん、いや『様!?』のどれすぅ!!ドレス持ってるの!!??

まってさっきサラッと王妃様とか言ってなかった!?


落ち着け、落ち着け私!アリスちゃんに一般常識は通用しないって分かってたじゃない!

よし!頑張れ私!

「み、みにあにあさま!」

あっ、噛んだ。


「ぷっ、ふふははは。」

壮大に自爆してしまった・・・。


「も、申し訳ございません!」

「そんなに緊張しなくてもいいわよ。もう。アリスから話は聞いていたけれどホントに面白いわね。ふふ」


「あ、あの、アリスちゃ、アリス様は王女様・・なんでしょうか?」

「違うわよ、大切な家族ではあるけれど血の繋がりはないわ。それとアリスの前でアリス様なんて言ったらあの子拗ねるわよ。」

「あっ、はい、わかりました。」


「それより、侍女を目指してるんでしょ?私ぐらいで緊張していたらお仕事、勤まらないわよ?」

いやいやいや、ぐらいとかってのレベルじゃないですよぉ!


「が、がんばります。」

今はこの一言をいうだけで精一杯でのようです。


「ねぇ、私がさっき言ってた事覚えてる?」

「?」

「アリスの友達は私の友達みたいなものだって。」

「!! お、王女様とお友達なんて、め、滅相もございません。」

「はいはい、そういう反応はもういいから。

じゃ、まず私を王女様と呼ぶこと禁止ね、あと王女様扱いもね。

それと、私と友達なのは『もう決定している』から。よろしくねココリナ。」

・・・・いやいやいやいやいやいや、そんな笑顔を向けられても!


「ごきげんよう、ミリアリア様。」

なんかまた来た!


「ごきげんようルテアさん。」

「ミリアリア様、聞いてください、今日私の侍女をしてくださった方が、アリス様のお友達だったんですよ。」

あっ、カトレアさんだ・・・。


「カトレアさん、先ほどお話しておりましたミリアリア王女様ですわ。」

「ハ、ハ、ハジメマシテ、カ、カトレアと申します。」

そうなるよねぇ〜。


「くくく・・、ごめんなさい、ココリナと同じ反応だったからつい・・くくく・・。」

「ココリナさん?」

「ええ、アリスは急遽お兄様に音楽隊のピアノ伴奏の代役を頼まれて、今はいないの、代わりに友達のココリナを置いていってくれたんです。」


「まぁ、あなたがココリナさん!はじめましてエンジウム伯爵の娘、ルテア・メネラオス・エンジウムと言います。先日お茶会をした時にアリス様からお話を伺ってたんです。」

ハイィ!?アリスちゃん伯爵様(違うけど)と知り合いなの!!てか何話してるのよぉ!


「ココリナさん?」

「ふふ、ルテアさんごめんなさい、先ほどからこの子、刺激が強いとすぐ固まっちゃって。」

「そうなんですか?ココリナさんその私とも、是非仲良くしてくださいね。」

アレ?ナカヨクスルッテ、ナンダッケ?




「はっ!」

「戻ってきたみたいね。ココリナ、さぁ、これを飲んで。」

あぁ、いい香り。ゴクン。

「どう?落ち着いた?」

「あっ、はい、ありがとぉぉぉ・・・・・」

おおおお、王女さまぁぁ!!


「ふふふ、ミリアリア様のおっしゃる通り、ホント面白い方ですね。」

「カトレア、ココリナを落ちつかせてあげて。」

「は、はい。」

カトレアさんがそっと背中から支えてくださって、落ちつかせてくれます。


「ココリナさん大丈夫?」(ボソっ)

「な、なんとか、カトレアさんも大丈夫?」(ボソっ)

「ちょっと考えが追いつかないから、もう諦めた。」(ボソっ)

「アリスちゃんっていったい何者なの?」(ボソっ)

「ダ、ダメ!今アリスさんのことを考えたらパニックになるから!」(ボソっ)


「聞こえてるわよ。」

「聞こえてますわね。」

「「ふふふ。」」

「「・・・。」」

お父さん、お母さん、私、なぜか王女様と伯爵ご令嬢様の知り合いができたみたいです・・・。社交界コワイ。






「そうそう、母様が今度アリスの友達を呼んで、お城でお茶会をする予定らしいから、よろしくね。」

「「・・・・・」」


まだ、私の苦悩が続きそうです・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る