その手を伸ばしたら
はぴねす。
はじまり。
それはかけがえのない大切な時間だった。
――待って!
消えてしまいそうなそれに向かって手を伸ばす。失いたくない、まだ君と一緒にいたいんだ。これからも、ずっと。
――待って!
残り目で見て十五センチ、ほんの十五センチが、遠い。
――待って!!
最後まで手が届くことなく、ふと、視界が黒に染まった。
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