Alptraum,Liebe
葛白 ナヤ
第1話 side:A 探偵 黒田きく
初めに、私は朝日みつる、この記事を読んでいただき、ありがとうございます。
私は、このコラムを書いている著者であります。
小さな限られたこの記事を読んでいただき、嬉しく思う、さて、私の話はここまででいいでしょう。
皆様に読んでいただく、この記事は私の友人、えーっと、黒田きくとでも名乗らせておきましょう、彼はしがない探偵をしているのですが、時たまとんでもないスキャンダルに関わることもあるので私はよく、彼の元へと行くのですが、とある日、私はこの事件にかかわったのです。
きくの事務所は、大通りより少し外れた小道にある、貸しビルの一番上に看板を立てているのです。
いつものようにノックも静に扉を開けて私は言うのです
「きくちゃん、きくちゃん!面白い話しはないかな?」
いつもなら正面にあるソファーに座って本を読んでいるか、寝ているかなのだがその日は違った、いつもは持たない黒い大きめのバックを机に置いて、筆記用具やら着替えやらを詰めているではないか!
「きくちゃん、きくちゃん、お仕事かい?」
ここで、黒田きくの容姿を言っておかなければ、彼は背が高く、やや筋肉がついている、顔も整っているがいつも半目だ、彼が人と違うところを上げるなら、右目の白目が黒であること、詳しくは聞いていないが幼いころに事故だが病気だかの後遺症だとか、彼は無口な男だ。
「ああ」
これだけしか返事してくれない、そのまま荷造りの続きを始めるのだ。
この男は昔からこんな感じだ、だが、仕事なのは間違いない、一体どんな以来なのだろうかと思い、彼に聞く
「して、どんなお仕事なんだい?」
そう言うと俺の目の前の客用テーブルに一枚のかわいらしい装飾のお手紙を滑らせ私の元へと渡す、薄ピンクに黒田さまへと書かれたお手紙には、少女のようにかわいらしい字で切実な願いが書かれていた。
【黒田きくさまへ
突然のお手紙申し訳ありません、以前お世話になった者の娘です。
今回ご依頼したいのは、お父さん、父が高校生のころに起きたとある事件の事です
二十五六年前に起きたものなのです、犯人も捕まっているのですが、その犯人が父の先輩なんだそうです、ですが、父はあの人のはずがないといつも言っているのです。
どうか、どうか、お願いします。
この事件の真相を見つけてください、お願いします!】
とまぁ、このような感じだ、いろいろ省略をしているが要約するとこのような感じの事だった。
「子供の依頼じゃん」
「ああ」
「ここから、だいぶ遠いぞ」
「だからこうして、荷造りしている、しばらくは帰ってこれないだろうしな」
「今から新幹線はきついぜ」
「ああ・・・」
「車は?」
「・・・・・・・・」
テンポよく返事をしていたのに、急に止まった。
「しまった・・・・修理中だった・・・」
どうやら、車は手元にはないようだ、さてさて、ここにもう一人、車を運転できる物がいるのですよ。
「きーくちゃん!そのお仕事に同行してもよろしいかな?」
私は車のキーを指でくるくる回しながら、彼に見せびらかす、いつも半目の目がさらに細くして睨むように私を見る
「どうせ、ついてくる気だったんだろう?」
「正解!さぁ、いこう!」
「おまえも、数日分の着替えは用意しとけよ」
「・・・・そうだね、その前に俺の家に行こう」
彼の荷造りが終わって、事務所を出て、まず私の家へ、わたしも荷物をまとめて再び車へ
「で、まず、どこに行くんだい?」
「ああ、そうだな、まずは、この事件とやらの全容が知りたいな、図書館か、どこか・・・」
「お手紙には何かないのかい?」
いったい何の事を刺しているのかお分かりにならないであろう、わたしもわからなかった。
そう言うときくは胸ポケットからを出し、小さな新聞記事しかもちょっと古めの紙を私に見せる。
そこにはこう書かれていた、いろいろ配慮のため狩り名で示すのでご理解を願いたい。
【起草高等学校で生徒9人、教師4人が遺体で発見された、生徒三名生存、誰が?】
このような見出しで、体育祭の翌日、生徒教師合わせて十六人の死体が発見させたという事件、巻き込まれた生徒の中で三名だけが生き残ったようだ、だが、記事は生き残った生徒の誰かがやったのではという話になっている、些か気の早い話しの気もするがまぁ、記者も仕事だろう仕方がない。
「犯人は捕まっているっと書いてあったね」
「ああ、生き残った三名のうちの一人、
眺野、彼が依頼人の父親の先輩という事だ。
だが父親は彼のはずがないと言っている、では、現実は非情だ、どんなに優しい人でも犯罪に手を染める、何かの間違いがない限り犯人が違うだなんてあるはずがない。
「君はどう思うんだい、この事件」
「さぁ、まだわからん、全容も、何も知らないんだ、で、図書館こっちじゃあないぞ」
「ああ、もっといいとこがある」
そう言って、私が彼を導いた場所は私が所属している新聞社だ、中へ入り、所長にあの小さな記事を見せる。
「この記事の続きを持っていないですか?」
「ああ?あー、あるぞ、ちょっと待ってろ」
そう言って所長はデスクの引き出しをあさり、一つのファイルを私たちに渡してくれる。
「うちが扱った物じゃあねぇが、ちょいと気になってな、何かの役に立てばいいなと思ってよ」
強面の浅黒い所長はそう言って、渡してくれた、ファイルの中にはメモまで入っていた。
それらをコピーし、その学校のあった場所まで向かいながら記事とメモを読む
「死因は、四人が刺殺、三人が絞殺、二人が窒息死の二人が毒死・・・」
「ずいぶんと多彩な殺し方だね、まるで違う人物が殺したみたいだ」
「・・・・・・」
「どうした?ああ、不謹慎だったかい・・・すまない、今のは聴かなかった事にしてくれ」
「いや、たしかに、一人でやったにしても、学生でこんなことができるだろうか?」
「え?」
「いや、刺殺絞殺は分からないでもない、だが、二人は水死しているし、もう二人は毒殺だ」
「水死?」
「溺れ死んでいる、つまり水に顔をつけて溺れさせ、殺したってこと、生徒の一人くらいならできなくもないだろうが教師一人が水死している、できると思うか?」
それは、黒田にとって最初の疑問だった。
高校生とはいえまだ成長中の子が成人男性を殺すことができるのだろうか、単なる力比べで考えてみよう、そうなると成人男性に勝てる子は限られてくる、今回の事件では教師が四人死んでいる、つまり、彼らと力比べをしなければならないことが大いに出てくるという事だ、ふむ、何らかの方法を取らない限り、難しいだろう
「ましてや、次に毒死だ、なぜだ?今まで自らの手でやっていたのに、なぜだ、その毒物は、どこから持ってきた?いつから持っていた、どのタイミングで仕掛けた?生き残っていたのなら必然的に集団行動に加わる、誰にもばれずに、皆から離れて殺しに行けるのか?無理だ、よほどのことがない限り、単独行動をするなど・・・」
「う、うん・・・確かに・・・どんな状態だったかは、分からないが、生存者が見つかったそばには教室の鍵束があったそうだ、なぜか、玄関のカギは折られていたらしい」
「・・・・・・やはり、変だ」
不可解なことが多いときくは見たようだ、生徒と教師、生存者も入れて十六人に身にいったい何があったのだろうか、我らには想像するしかできない。
とりあえず、詳しい話を聞くため、我々は刑務所へと向かったのだ、そこに犯人と言われた、少年が確実にいるからだ、面会許可書を出して無事発行され
コンクリートで囲まれ、カラスの窓一枚で隔てられた部屋でその時を待った。
ガチャリと音がし、少し痩せた男が手錠をされ部屋に入ってきた。
「初めまして、眺野 真人さん」
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