【参考】用語解説

【《WIZDAM:ウィズダム》】

人類の未来を予測する量子コンピュータ。ネーミングには「知恵」を意味する〈WISDOM〉と、「達人」を意味する〈WIZ〉、さらに「堰堤えんてい」を意味する〈DAM〉の三つの意味が込められている。


【プランクデータ】

この宇宙の最小単位であると言われている10のマイナス105乗㎥(プランク長10のマイナス35乗mの三乗)にまで人間の情報を極限まで還元し、記録されたコズミックデータ。

このデータは量子コードに変換され、《WIZDAM》が量子アニーリング(最適化問題)のアルゴリズムによって人類の行動を予測する。


【ライブスキャナ】

人類のプランクデータを取得するためのセンサー。

ライブスキャナは地面にあまねく設置されており、24時間、365日、人類を監視している。


【アンダードーム】

ライブスキャナが取得したプランクデータが保存されている場所。

しかしプランクデータをそのまま記録すると、記録する対象物(人間)と同体積のスペースが必要になるため、【余剰次元コード】と呼ばれるものに圧縮され、省スペース化が行われている(ただし広大なスペースが必要なことに変わりはない)。


【Central◒House】

《WIZDAM》の開発、運営、保守、ニゲラのプロデュースなど、未来管理社会システム:パーフェクト・トゥモローを執行している世界最大企業。


【C◒H-I】

Central◒House-INVESTIGATIONの略称。バンディットの取締りをはじめとする、未来管理中央捜査機関。


【イディオット】

パーフェクト・トゥモローの監視から免れるための欺瞞信号発信ウィルス。

このウィルスによってダミーの行動データをライブスキャナを通じて《WIZDAM》に送信することで、監視を逃れ、バンディットたちはC◒H-Iからバレずに未来を盗んでいる。


【イアーク】

正式表記はe-ARc:三日月状(アーク状)の形状をした、耳の裏に装着する小型デバイス。

通信機能だけでなく、クラウド上に記録されたデータを脳に直接、電気信号で送ることで、視界上に投影できるAR(拡張現実)機能や、肉眼からの情報信号を拡張してズームできる機能なども備えている。


【ATL:アバーヴ・ザ・ライン】

パーフェクト・トゥモローの管理人口:10億人のうち、僅か約0.1%(約100万人)に該当する上流層。ATLが住む場所は【ボウルシティ】と呼ばれ、そこには《WIZDAM》やCentral◒House、アンダードームなど、パーフェクト・トゥモローの中核となる設備や企業が結集している。


【BTL:ビロウ・ザ・ライン】

パーフェクト・トゥモローの管理人口:10億人のうち、そのほとんどにあたる99.9%の一般層(被支配層)。

BTLが住む管理居住地区は【HeavenS】と呼ばれ、7つのエリアに分かれ、地球に散らばっている。


【ブランク・グラウンド】

ATLの済むボウルシティ、そしてBTLが住むHeavenSにはライブスキャナが張り巡らされ、常に人類のプランクデータの収集が行われている。しかしライブスキャナを地球全土に設置することはできず、その大半はライブスキャナがない(プランクデータの収集ができない)大地が広がっている。このデータが無い“から”の大地はブランク・グラウンドと呼ばれている。

さらにブランク・グラウンドでは、【サリクス】と呼ばれるテロリスト集団が広く分布している。


【サリクス】

ブランク・グラウンドに広く分布しているテロリスト集団。だが正確な規模は

Central◒Houseでも把握できていない。

しかし最先端のテクノロジーを享受できないブランク・グラウンドにいるため、2~3世紀も前の武器や兵器に依存している。それ故、ATL・BTLたちにはあまり脅威と感じていない。


【量子シミュレーション戦争】

本作の舞台である西暦2384年から250年以上前、西暦2130年頃に発生した戦争。

しかし血生臭い戦争ではなく、あくまでバーチャルな戦争形態だった。

この頃はまだ国家が存在し、各国は自国で開発した量子コンピュータで、自国が所有している人口と資源をいかに有効活用し、いかに効率的に軍事力を高めていくかをシミュレーションしていた。そして各国は自国の量子コンピュータと相手国の量子コンピュータを連結させ、お互いの戦争の結果をシミュレーションすることで国力を競い合っていた。


【グローバル・ダウン】

量子シミュレーション戦争で勝利宣言をしたアメリカ合衆国に対し、不満を持った者がワシントンD.C.でブラックホール爆弾でテロを起こし、直径30㎞以上、深さ約1㎞の巨大クレーターを発生させた。その結果、ワシントンD.C.は消滅。それと同時に、アメリカ合衆国も破綻した。これがきっかけで発生した世界恐慌をグローバルダウンという。

このグローバルダウンを契機に世界秩序は崩壊し、飢餓や疫病、紛争が蔓延、100億以上あった人口が10億近くにまで減少、国家機能は麻痺し、事実上、国家は消滅した。

しかしCentral◒Houseが国家に代わって【人類再建計画】を実行し、パーフェクト・トゥモローを完成させた。さらにテロの跡地はボウルシティとして復興させることにも成功している。

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