第23話兎狩り開始【兎殺者】が蹂躪を開始したようです。
とりあえず、報酬のスキルは【守護】(戦闘中、所持者から10m以内の味方が受けるダメージを、全て肩代わりする代わりに、防御力+200%の修正を得る)に決定した。
実に俺向けのスキルである。大満足だ!
ここでインフォメーションが入った。
『ゲーム開始より、3ヵ月が経過しましたので、第1フェイズ終了となります。【メニュー】に中間報告の欄が新たに加わります。3ヵ月毎に集計され更新されますので、情報を確認していただく事で、鯖の状況が確認可能です」
ふむ、最高LVは...【麗覇】のLV37で時点が環さん達【九頭竜】のLV36か....それ以外だと次点がLV24....どんだけ先行して進んでるんだあやつめ。
最低レベルが....LV1って誰だよ!....俺だったでござる!ORZ
【称号】獲得条件を満たした為、次の称号が贈られます。
【不殺】条件 第1フェイズ開始から終了まで、プレイヤー・NPC・モンスターを殺さない。
スキル【手加減】を取得する。
【手加減】どんな攻撃をしても、攻撃対象のHPが1残る。
【称号】獲得条件を満たした為、次の称号が贈られます。
【空白の日記】条件 第1フェイズ終了時点で、一度もLVUPしていない。
獲得経験値+50% 自分よりLVの高い相手との戦闘で獲得する経験値が上昇する。LV1毎に+20%上昇する。
また、変なフラグを立ててしまった。
俺は一体何処に向かっているんだろう?
しかし、様々な称号によって強化されている俺のパラメーターはLV1であって、LV1に非ずなのだ。
LVUP毎にボーナスポイントを獲得して、パラメーターに振り分けする。
LV1~10までは5ポイント、LV11~20までは10ポイント、LV21~30までは15ポイントと、LV10毎に獲得ポイントが増えていく。
称号のおかげで、+450ポイント分上昇している俺は、LV37相当の強さということだ。
まぁ、他のプレイヤーも何らかの称号を獲得しているはずなので、同LV同士で戦えば、不利である事は確かだろう。
【開拓者のメダリオン】を存分に生かして冒険する為、当分レベルを上げるつもりはないのだがね。装備していれば、経験値はすべて金貨に変わるのだ。
【経験値変換(金貨)】獲得した経験値をプールして、金貨に変換可能。
金貨に変換しなかった経験値は、スキルOFF時、所持者に返還される。
貯めておいて、後からLVするのもありって事か、中々便利なアイテムである。
攻略済みエリアは、王都周辺から南に広がる【クロス草原】、王都西にある【恵みの森】、王都東にある【毒竜の沼地】ヒドラのぬまち、7つの山、グランガイア・グランドウォール・グランロック・タイタン・グリーンクリフ・アースピット・ストーンエッジで構成される【グランガイア山脈】の内、ストーンエッジとアースピットの2つの山が攻略されているらしい。
俺は、草原に出て兎狩りから始めようかと思っている。
装備の強化は必須だろう。武器も衣も強化してこそ、真の力を発揮してくれるはずなのだ。
「マスター、これからどうするつもりですか?」
「草原に出るつもりだ、装備の強化と、ジョブの性能を確認しようと思っている」
二人で話しながら、王都の南門に向かう。
スラムの再建や、大規模な薬草の生産場が出来た事によって、王都の南部は経済活動が活発化している。新たな飲食店の出店や、買い付けに訪れる商人、トラブル防止の為に警戒しながら巡回を行う衛兵達でごった返している。
王都では有名に成り過ぎてしまったからか、南門に着くと顔パスで素通りできてしまった。
それどころか、衛兵や通過の順番待ちしている人に握手を求められたり、顔繋ぎをしようと寄ってくる商人に囲まれて大変だった。
「ふぅ、まさかあんな展開になると思わなかったよ」
「そうですね。でも、あれだけ大きな事をやればそれも当然ですよ」
と、会話しながら草原に出たのだが、もうこの時期にラビット狩りをしているプレイヤーなど居るはずも無く、POPしたラビットがそこら中に居た。
ここで、驚くべき変化があった、ノンアクティブ(プレイヤーが手を出さない限り攻撃してこない)のはずであるラビットが、敵意剥き出しで攻撃してきたのだ。
【兎殺者】ラビット系モンスターとの戦闘時、ステータスが+500% 【敵意超激増】←コイツのせいだろう事は間違い無い。
しかも、1匹だけでは無く、視界に入ったラビットが全部俺に向かって突撃を開始している。
まるで、飢えた狼の檻に入れられた兎のようだ!....襲って来るのが兎で、待ち構えているのが狼な分けだが.....これは凄い効果だ。
『マスター、やっと俺の出番だな!撫で斬りだ!見敵必殺でいこうぜ!』
ライターから禍々しい黒いオーラが立ち上り始める。流石は魔剣の端くれだけあるな、能力が封印されていても威圧感を感じさせるだけのオーラがある。
向かってくるラビットを切り払い、切り上げ、突き刺し、蹴り飛ばす。
何処からとも無く、お代わりがドンドン現れる。際限無く湧き出す水の如く、地平線の向こうから、草原に空いた巣穴から、淡い光と共にPOPして、次々と現れる。
1斬1殺で次々と剣の錆になっていく兎達「ヌワー ここまでか やらせはせん!やらせはせんぞ! 後は任せた! まさか...蘇っていたとは」等と捨て台詞を吐いて次々と死んでいく兎達。
【ラビット言語】なんか取得してしまったせいで、聞かなくてもいい台詞を聞かされて少々心が痛んだ。
【魔剣ラビットイーター(能力封印超絶)】
攻撃力 +15 (100/100) 耐久値 142/200
ラビットの討伐数が既定数を突破した為、剣の封印が1段階が解かれます
【魔剣ラビットイーター(能力封印超絶)】
攻撃力 +20 (0/200) 耐久値 300/300
ラビットの討伐数が既定数を突破した為、剣の封印が1段階が解かれます
【魔剣ラビットイーター(能力封印超絶)】
攻撃力 +25 (0/300) 耐久値 400/400
マップに表示されている敵の赤い光点に混じって、2回り程大きな光点が現れた。
レアMOBのマスターラビットがPOPしたらしい。
「とうとう、目覚めたか....古より伝わる兔の天敵【兎殺者】め!俺が来たからにはもp」
「貴様が【兎殺者】か!これでもくr」「嫌だ!助けt」「貴様には慈悲が無いのk」
貴様らの都合など知ったことか!兔は狩る!真剣狩る!直ぐ狩る!切り殺す!
ラビットの討伐数、レアラビット討伐数が既定数を突破した為、剣の封印が1段階が解かれます
【魔剣ラビットイーター(能力封印超)】
攻撃力 +30 (0/400) 耐久値 400/400
魔剣モード第1開放「強襲ウサルトモード」
所持者の周囲を、小型魔剣4本が浮遊して周回する、所持者が頭の中で念じたラビットをターゲッティングして、自動で切りかかる。広域滅兔モードである。
モード中は徐々にMPが減少する。兔系MOBを撃破するとMP回復5%
【魔剣ラビットイーター(能力封印超)】
攻撃力 +35 (0/500) 耐久値 500/500
ラビットの討伐数が既定数を突破した為、剣の封印が1段階が解かれます
【魔剣ラビットイーター(能力封印超)】
攻撃力 +40 (0/600) 耐久値 600/600
ラビットの討伐数が既定数を突破した為、剣の封印が1段階が解かれます
おかしい、兎が途切れない。「ウサルトモード」を起動し続けて、ひたすら狩り続けているのに、無限に現れる。兎、兎、兎....なるほど!これが俺に与えられた試練か。
誰も狩らないから無限に増えていくラビットを、俺がひたすらに間引く
ラビットの討伐数が既定数を突破した為、剣の封印が1段階が解かれます
【魔剣ラビットイーター(能力封印超)】
攻撃力 +45 (0/700) 耐久値 700/700
ラビットの討伐数が既定数を突破した為、剣の封印が1段階が解かれます
【魔剣ラビットイーター(能力封印超)】
攻撃力 +50 (0/800) 耐久値 800/800
丸一日狩り続けているのに、途切れない兎に恐怖を感じ始めた頃には、アイテムBOXの中には2800匹分のラビットの肉と毛皮が入っていた。
マスターラビットの肉と毛皮、魔石、スキルの書「月の加護」、スキルの書「敏捷強化 弱」などのレアドロップも入っていた。
そろそろ、切り上げようかと思っていると「それ以上の狼藉は許さないピョン」と声が掛かったので振り向くと、そこには名前付のユニークMOBが居た。
【ピョン吉】LV180 (五兎将)マスターラビット
....蛙見たいな名前だと思ったのは秘密だ。
しかし、【デビット】に続いて2匹目、こいつらとの戦いは避けられない運命の様な物なのだろうか?では、お約束といこう。
「ん!?貴様、何者だ!」
「なんだかんだと聞かれたら?答えてあげるが世のなs」「はい、それ以上はカットね!ていうかそれ一匹でやっちゃ駄目だからね?」
「ピョン!?この兔としたことが、やっちまったピョン?ならこれは!」
「ムーンプリズムパワー!メイクあ」「いや!駄目だって!それもアウト!」
「ピョン!?斬新だと思ったんだがピョン」「ああ、うん斬新だけどね」
「まぁ、良いピョン!ここで会った事を運の尽きと思うが良いピョン!死ねキャロットストライク!」無数のニンジンが目の前に出現したかと思うと、弾丸のような速度で射出されてきた。
「食べ物を粗末にするとは....動物とて看過出来んな!ふん!はっ!そりゃ!」
次々と飛んでくる「pureキャロット」という若干危ない名前の飛び道具を回収する。
「あ..あああ!返すピョン!とっておきのpureキャロットなのに!」
「え?どうして使ったの!消耗品扱いしといて返すの?食べるの?」
「それはそれ!これはこれ!.....隙ありピョン!ムギュ」
飛び掛ってくる【ピョン吉】を踏みつける...弱い。
「ナニするピョン!」「いやナニしないよ!?ってか不意打ちしといておかしくない?」
「くっ....殺せピョン!」「兎のくっ殺とか誰得だよ!」
....どうしてこうなった。
「こうなれば最後の手段、キャロットドーピング....ニンジンが無いピョン!どうしてピョン!」
「さっき、散々撃ってきたコレか?」「それピョン!」
(マスター、もうチェックしているのです。勝負を決めませんか?)
うん、俺もそう思っていた。残念兎過ぎて萎える。しかも(五兔将)って事は、あと四匹こんな奴が居るって事だろ。
『戯れは終わりだ。マスター...止めを!』
ライターから黒いオーラが噴出し槍となって突き刺さる。....なんだコレは。
「イタタタタ!痛いピョン!ちちち力が抜けていくピョ...」
『捕食開始!マスター、私を奴に突き刺してください』「ホイ」「あうん、そ...そこは!」
いや、へんなとこには刺してないよ?
「ギャアアアアアア!!!!!!!死ぬ死ぬしn」
力が流れ込む感覚がある、突き刺したライターが魂を吸い上げているようだ。
さらば【ピョン吉】、お前の事は....今日くらいは覚えておく。
『終わりました。この調子で兎の魂を集めましょう』
魂を食われた【ピョン吉】は剣に吸われて消えてしまった。
【魔剣ラビットイーター+1(能力封印超)】
攻撃力 +50 (1/800) 耐久値 800/800
力ある兔の魂を取り入れた。一定数を超えると剣が進化します。
おお、+1になってる。この調子でバンバン吸い上げよう。
周囲に兎の気配が無くなっている....賢者モードか、打ち止めだな。
(マスター、素材も貯まりましたし、そろそろ引き上げてはどうでしょうか?)
「そうだな、なんか盛り上がりにかけるが、1日兎を狩り続けて精神的に疲れたし、ちょうど良いかな」
こうして、のちに兎達に語られる。【クロス平原の惨劇】は幕を閉じたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます