第14話【兎殺者】に忍び寄る兎の陰謀 【デビット】の奴が殺られたようだな?ふふふ...奴は四天兎王でも一番の

 「【デビット】が殺られたようだな?」

 ポツリとつぶやく声がすると、広間に明かりが灯る。


 「フフフ....奴は四天兎王でも一番の仔兎よ」

 円卓が浮かび上がると、その周囲には6つの席と、そこに座る5つの影があった。


 「人間如きに殺られるとは兎の面汚しラビ!あれほど人間には気を付けろと注意したのに、調子に乗るからこうなるラビ」

 そう呟きながら、円卓をドンッと叩く影


 バリッっと何かを齧る音がする.....ボリボリ

 「いや~他兎の不幸は蜜の味ですピョン!ああ~ニンジンが美味いピョン!」


 「まぁ、そのおかげで私が四天兎王入り出来たと思えば、私【デビット】殿に尻尾を向けて跳ねられないと思いまする私」

 キラッっと光るメガネをクイッと上げる影


 「フン!頭の悪い兎共ね!これだから付き合いきれないのよ。くだらない!ここは仔兎の遊び場だとでも言うのかしら?」

 他の影に向かって侮辱の言葉を吐く、一回り大きな影


 「な!?」「ラビ!?」「ピョン?」「...私が何か?」


 「今の言葉、事と次第によっては許すわけにはいかぬ」

 「そうラビ、仲間兎に対する理由の無い侮辱は、全兎を持って耳削ぎの刑ラビよ?」

 「ボリボリ....ニンジンが不味くなったピョン。新しいニンジンで許すピョン」

 「私、思いまするに、私がいくら新人とはいえ、言っても良い事と悪い事があると、私思いまする」


 「四天兎王と名乗っておきながら、5匹いるこの現状....如何にするつもりかしら?」


 「「「「た....確かに...!!!!!」」」」 


 「まずは、名前を決め直す所から始めるのが当然だわ!」

 「それと、もう一つ、こんな簡単な事にも気づかなかった貴方達には、組織を率いる資格などある訳が無いんじゃなくて?総帥に相応しいのはこの【ラ・ビ・アン・ローズ】で決まりね!異議は許しませんわ~、オーッホッホッホッホ!」


 「仕方あるまい、認めよう」

 「分かったラビ。異議無しラビ」

 「分かったピョン。新鮮なpure!キャロットをプレゼントするピョン」

 「私、思いまするに、それが一番だと思いまする私」


 「当然ですわ!まぁ、今日はこの位にして、新しくなる組織の交流会としましょう?」

 パチン!と指を鳴らすと、円卓にメイド兎達が、ニンジンをどっさり運んでくる。


 「顎で使われるなんて....ぐぬぬぬ...く...屈辱にゃ...絶対復讐してやるにゃ」


 「ピョン?一匹ネコが混じって無かったピョン?」

 「どうでもいいラビ。ネコでもイヌでも兎には勝てないラビ」


 未だ【兎殺者】誕生は知られていないが、兎の陰謀は着々と進んで...無い?




 【にょ】ではありませんにゃ

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