第4話社長、クリスタリアに...立てない

 「ちょっと、清澄君!演出に手間かけるのはいいけど、自分の仕事を終わらせてからにしなさい!」


「また、君かい?美里君。あれも仕事、これも仕事....OK?」

 キラン、とメガネを光らせた俺は優雅にコーヒーを...ブーーー!!


 「茶色い絵の具で着色したお湯は美味しかったかしら?」

 ニヤリと笑う悪鬼がそこには居た。


 「コーヒーの匂いまで丁寧にカップに付けて嫌がらせかい?僕だってそんな事されたら、報復せざるを得ないなぁ」

 引き出しからある物を取り出した俺は、見せ付けるかのように掲げる。


 「ジャーン!美里君の女子力はいくつかなー?何々、勇人がお爺様の家で稽古を再開してから、もうこんなにも経ったのですね。とても立派になった姿を遠目に見て、男の子から立派な男性にn...はう!あべし!」


 目の前でプルプル震えていたはずの美里君が掻き消えたと思ったら、僕の鳩尾にボディーブロウが突き刺さり、右ストレートが顔面に食い込んでいた。....解せぬ。


 「だせぇなー清澄よぉ。女ってのはこう、包むように優しく抱きしめて...オウ!ゲハァ!」 

  あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

  『俺は清澄の前で会話を始めたと思ったら、いつのまにか殴られていた。

  な…何を言ってるのか、わからねーと思うが 、俺も何故を殴られたのかさっぱりわからなかった… 』


 「貴方も余計な戯言を耳にしたようね?ここでの事は記憶から抹消しなさい!生きていたければ....ね?」


  頭がどうにかなりそうだった…  そう、これは巻き込まれただけで、罪も無い人が刑に処された...忍術だとか超スピードだとか ....そんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ。


  俺と...清澄は...もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ… オウフ


「美里....また【狂犬】に戻ったの?後始末大変なんだから、ちょっとは自重しなさい。そんなんじゃ、勇人君とあっても仲良くお喋り出来ないわよ?」


 「ああ、清澄君は内臓破裂してるわね、出雲君は...肋骨全損ね?こりゃ、私が治療しても半日は起きないわよ?疲れるんだから止めてよね!」


 「ごめんなさい。菖蒲さん....反省しますぅう。」


 諸君....すまない。僕は当分そっちに行けそうに無いよ....勇人君、君の姉さんって何者なんだい?僕も大概道を外れた実力があると自負してたんだが....あれは魔王だよ?

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