第6話 開戦
いよいよ、ジャバウォックとの闘いが始まる。
準備は入念にしたし、荒川南がくれたエルシェンドという武器もある。
200万という大金も掛かっているがそれ以上に、アスラという膨れ上がった存在に応えないと俺はまたただの水城翔になってしまう。
「絶対に勝たなきゃいけない!俺は強い!」
闘技場から声の群れが呼び掛けてくる。
様々な感情を押さえつけスイッチを入れた。
「闘技場に集まった観衆の方々、そしてモニター越しに今日という日を目に焼き付ける視聴者の皆さん!未だ6人未満で負け知らずジャバウォックにアスラは勝つ事が出来るのか!?数々の猛者が敗北したその強大な相手に。否、必ずやってのけるのがアスラだ!みんなはアスラの伝説の数々を目撃してきた!そして今日っ、アスラはゼロムス史上最高の伝説を残すでしょう!みんなで新たな伝説を創る彼を呼びましょう!せーの!」
「アスラーっ!」
観衆と実況者によって盛り上げられた空間に、エルシェンドを片手に持ちアスラは足を踏み入れた。
「キャーかっこいい!!」
「アスラー!!」
「頑張ってーー!」
「なんだ、あの武器!?めっちゃ強そうじゃん!」
「アスラくらい強くないと倒せないモンスターのレアドロップじゃね?」
アスラは現実では決して味わえない気分に数秒酔いしれた。
(ここが、俺の居場所!)
アスラは雄々しき風格でジャバウォックの前に立ち止まった。
そして、エルシェンドを両手で持ったかと思いきや、エルシェンドは分裂し形大きさの全く同じ2本の双剣となった。
闘技場はアスラ一色に染まる。
しかし、観客席のどこかで不敵な笑みを浮かべる者が居たが気づく者など居はしない。
「いよいよ、その時がやって参りました。アスラとジャバウォックによる1体1の前代未聞の戦闘が今始まります。それでは、いざっ!開戦っ!」
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