ホワイトデー
寝無男
第1話 花見
この物語は2016年、東京で始まる。立花紗江子は独身の27歳の美女で立花和広の娘だ。立花家はとても裕福(ゆうふく)である。この一族の財産は5千億円にものぼると予測されている。立花和広は電化製品の会社を営(いとな)んでいる。彼が死んだら、紗江子が全ての財産(ざいさん)を相続(そうぞく)する。紗江子は一人っ子だ。現在ではとても普通のことである。そして紗江子は強い女性だ。高校生の頃、紗江子はクラスメートを殴った。殴った男子の鼻を折った。また、紗江子の成績はいつもトップだったので、父親は本当に誇りに思っていた。
3月20日紗江子は友達と花見をするために上田公園に行く。その日は25度ぐらいで晴れだった。紗江子は5万円の綺麗なピンクのワンピースを着て、まるで桜の花ようだった。紗江子の友達は村上緑(27歳、既婚(きこん)、弁護士、子供がいない美女)や、武田あゆみ(28歳、医者、既婚、一人息子がいて、医者の仕事しながら、母親業もしている)だ。二人とも裕福(ゆうふく)ではあるが、紗江子はけた違いだ。しかし、緑とあゆみは彼女のことをうらやましく思っているわけではない。
紗江子の高級車で三人は上田公園に行く。もちろん、女性たちは運転せず、紗江子のお気に入りの運転手が運転する。紗江子は緑を最初に迎えに行く。挨拶(あいさつ)の後、二人が話し始める。
緑:「ねえ、紗江子様、どうしてまだ結婚しないんですの?結婚は凄くいいですわよ。わたしの主人なんか毎日笑わせてくれるんですのよ。」紗江子:「どうしてですか?私が人生を捨ててるとでも言うのですか? もし、笑いたかったら、芸人を買いますわ。私は自分に満足していますが、何か?!」緑:「でも、そんな感じでずっとそんな風だと、紗江子様は一人で満足できない人生を終わることになりますわよ。私は心配なんですわ。」紗江子:「心配なさらないで、私は常(つね)に満足していますわよ。毎日、働いて、何でも買えて、とても充実(じゅうじつ)していますわ。そして、満足している緑ちゃん、どうして子供がいないんですの?」びっくりした緑:「あ、えっと、それは...」車が止まって、あゆみが車に乗る。疲れているあゆみ:「ごきげんよう!私はとても疲れています。働きながら、子育(こそだ)てするのは大変ですわ」紗江子:「自分のせいよ。今の時代、女性が強くなきゃいけませんわ。この社会で、弱い女性は無意味だから、強くおなりなさい。」緑とあゆみは目配(めくば)せした。その後にあゆみ:「はい、分かりました!紗江子様は正しいです。今日は一緒にお花見をしましょう!ちなみに何を持っていらっしゃいましたの?緑?」緑:「新しく輸入(ゆにゅう)したフランスの赤ワインを飲んでみようと思っていますの。それから、抹茶ケーキを焼いて、ステーキを持って参りました。紗江子様は?」紗江子:「山崎16年と神戸ビーフを持って参りました。あゆみさん、サラダを忘れずに持っていらっしゃいましたか?」あゆみ:「シーザーサラダとお皿を持って参りました。」紗江子:「よくできました!」
5分後に、女性たちは上田公園に着いた。上田公園は花見客で混んでいる。紗江子たちは花見を始める。
しかし、紗江子はお金持ちなので、一番綺麗な所をとってあった。そこは3本の桜の木に囲まれていて、緑濃(みどりこ)い芝生(しばふ)の上に桜の花びらが散(ち)っていた。太陽が差しているが、桜の影で完璧に守られている。おとぎ話の絵本みたいだ。彼女達は座って、最初に赤ワインを飲みながら、サラダを食べる。会話が始まる。あゆみ:「素敵なところですね。本当にありがとうございます紗江子様。」緑:「うん、本当にありがとうございます。」紗江子:「普通この場所は天皇家の花見場所ですけど、私はお金持ちすぎますから、今年、私たちはここで花見ができますの。」緑とあゆみ:「えええ!すごい!!」あゆみ:「あの、私、さっきはすみませんでした。今、本当に嬉しくなりましたわ。仕事をしながら子供を育てることは難しいですわ。だいたい、私は毎日9時間ぐらい働いて、息子をあまり見られませんの。帰ってすぐに、ご飯を作らなきゃいけなくて、休みは珍しいですわ。でも、いつもけんたの笑顔を見ると嬉しくなりますの。」緑:「けんたくんはおいくつですか?」あゆみ:「今月、2歳になります。写真を見たいですか?」緑:「はい、見たい、見たいわ、見せてください。」あゆみ:「紗江子様も見たいですか?」紗江子:「早く見せなさい、赤ワインに黴(かび)が生えますわよ。」皆さんはあゆみの写真を見た。緑:「可愛い!凄く可愛い!」あゆみ:「そうですね。私の誇りです。人生は素敵だわ。」紗江子:「別に普通の赤ちゃんだと思いますわよ。お父さんは誰ですか?」あゆみ:「パン職人(しょくにん)ですわ。武と言う名前ですわ。」紗江子:「貧乏そうな人。バカバカしいと思いますわ。どうして子供を作りましたの?」あゆみ:「私は武が好きですよ。彼はいつも優しいし、パンは美味しいし、武も私が好きですわ。医者として働いているから、お金が足りますけど、けんたをもっと見たいわ。ただ、昼間は、武がけんたを見ていてくれて助かりますよ。」緑:「あゆみは幸せでしょう。」あゆみ:「とても幸せ、生活は大変だけど、幸せですわ。」紗江子:「けんたさんは荷物だと思いますわ。昔のあゆみはどこ?パーティーで騒(さわ)いでいたあゆみはどこですの?あなたはまだ若いですわ。でも、青春をあきらめましたの?人生の全てを捨てましたか?昔、私たちは『三黒星』でした。今は何ですか?」あゆみ:「人生が変わりましたわ。私は決めました。家族はいいですよ。紗江子様も試したほうがいいかもしれませんわ」。
いきなり、ボールが飛んで来て、紗江子に当たった。男性がやってきた。男性:「ああ、すみません!私のせいだ!友達とサッカーをしていて、ちょっと調子に乗りすぎた。本当にすみません!」怒っている紗江子:「こいつ!何てことをしてくれたんですか!バカ野郎!この男、私のこと知らないんですか?」 緑:「落ちついて下さいな。」ニコニコしている男性:「可愛い!えっと、ちなみに君のスカートが汚れてしまった。ごめん、ごめん。」紗江子:「ああああ、こいつ!!あなたは弁償(べんしょう)しなければいけませんわ。私は立花エレクトロの社長立花和広の娘立花紗江子と申します。」男性:「可愛い名前だね。ああ、すみません、私は松本エレクトロの社長、松本明だよ。宜しくお願いします。」あゆみ:「ねえ、紗江子様?松本エレクトロはあなたの敵じゃないんですか?」紗江子:「はい、敵ですわ。でも、私の財産のほうが多いですから、敵じゃないですわ。むしろ餌食ですわ。」明:「そうか!でも今年、私の会社はまた強くなるよ。信じて!多分、2,3年後には松本エレクトロは全国で一番になる!」紗江子:「嘘(うそ)つき!今、私たちが全てコントロールしていますわ。こいつの会社は来年破産(はさん)します。私が保証しますわ。」ニコニコしている明:「私は信じないよ。 来年から私の会社は立ち直る。」紗江子:「どうやってですか?」明:「秘密だけど、紗江子がデートをしてくれたら教えてあげられるかもしれない。」緑:「これは紗江子様のチャンスですわよ。」あゆみ「やったほうがいいと思いますわ。」紗江子:「うるさい。デートは無理です。でも、明日明さんは私の5万円のワンピースを弁償しなければいけませんわ!!」明:「買い物デートかなあ。いいよ。」紗江子:「買い物デートじゃないですわ。バカ野郎!」明:「また明日、お姫様。」紗江子:「また明日15時立花タワーの受付, 時間を守るのですよ!あゆみ、緑!行きましょう。」緑とあゆみ:「はい!」緑とあゆみが囁(ささや)いている。あゆみ:「紗江子の予定を知っていますか?」緑:「私も全然知りません。でも紗江子様は予定があるみたいですね。」花見が終わった。
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