月下の海辺

崩れた渚で

築いた言葉を

担いで海に

入水する人


それを遠くの

堤防の上から

見ていたきみの

額に翳した

手はぼくのもの


沖のほうでは

時はまどろみ

夜気に震えた

呼気に音を

乗せて櫛で

髪をすく

きみの目に

海に映る

月が映るのを

ぼくは見つめた

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