笑う森のロンドン塔

笑う森の夜に

飛鳥の時代に生き別れた

兄に会いに海沿いに道を歩いた


カナンの地で関西弁は粉砕され

レジンで固めたため息を持って

アレルギーに悶えていた


飢餓の虹で腹を肥やし

いちいの木の下 打ち首にされた

山梔子の花に立ち

女工の歌耳に擽らせた


悲劇の幕間に投げられた

聖骸布には鉛の涙が流れ

戻ってくる船に沿って西洋の

挨拶が漣を立てていた

見上げると

日は笠をかぶり


連綿と

布帛流失 ロンドン塔

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