杜若

書きかけの悔い

挫けた駆け出し

しかし仮死のち蘇生し執筆

遂に墜落辛い面

埒の飽かないランチの場面

クライスラーで山登り

瑠璃色のルンペンパンを食み

はみだし子の涙だし羊歯の露

行き着く行きつ戻りつ遂に着く

靴紐ほどきほととぎす

過ぎこし日々もひび割れて

レンズを磨く熊汲み

髪整えて舞踏会

素通りしてきた山梔子くちなしの花

なぜ偽の名の杜若かきつばた

担がれた河岸かしに打ち上がる

夢から覚めても見もしない

もみの木の杵を記念とし

しとしとと降る故郷の星

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