絵の中 世の中 箱の中

絵の中の景色を愛していた

穢れた世の中から目をそらしていた


絵を見るたびに思った

世の中は腐っている

絵はこんなにも美しいのに


ある日外へでて

世の景色を目にした


様々な緑で彩られた雄大な山々

力強く波打つ青い海

いつ見ても違う模様の空

私を照らす 太陽 月 

数多の星 


それは私が愛した絵そのものだった

絵はまさに世を映し出していたのだ


では

私は何を見ていたのか

私が見ていた世の中は



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

かみなり うさぎ ひいろのめ 水奈水湘 @ReloadRabbit

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る