ねえ、おばあちゃん、わたし巫女なの?

@tobaharuka

第1話


「ご臨終です」


お亡くなりになったのは、

浦和美園(うらわ・みその)

高校一年生の女子である。


モニターに映し出される心電図が、直線となっている。

白い布が、美薗の顔を覆う。

母親は嗚咽しながら、崩れ落ちるように美薗が横たわるベッドに倒れ込む。

父親は、その傍らでただうつむいている。


数日後―、


お葬式の会場は、悲しみに包まれていた。

学校の友人たちはもちろん、近所の人々も、

美園の、それも若すぎる突然の死に、打ちひしがれていた。

すすり泣きの間隙を縫うように、弔問客のひそひそが聞こえてくる。

「突然死なんでしょ。」

「持病とかは、なかったってさ。」

「原因不明らしいわよ。」

「つい最近まで、あんなに元気だったのにね。」

「とっても明るい、良い子だったのに。」

「ご両親は、つらいよね。」


それは、

お坊さんの読経が始まったばかりで、

まさにご焼香の真っ只中だった。

突然美園が、お棺の中から起き上がったのだ。


「あーあ、よく寝た~。」


会場の驚きっぷりと云ったら、描写のしようがないくらいだった。

お坊さんのうろたえ方も尋常じゃないし、

不謹慎にも、ご両親すら喜ぶ前に驚いたくらいだからね。


てなことで、

この物語は、何のとりえもなかった(失礼!)

ごくごくフツ―のJKが、

なぜか突然死したんだけど、

再びなぜか生き返って、

さらにどうしてなのか、不思議な力が宿っていて、

それを糧に、プロの巫女として生きていく不死鳥ストーリーなのである。

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