日常的な非日常!?元気な竜音は今日も頑張ります!!

市川雄一郎

第1話 竜音、とある能力を得る

 大阪のとある高校の校門前にとある女子生徒が他の女子生徒と一緒に現れたのである。


 「さぁーっ!!はるみっち!!帰ろーっ!!」


 「本当にいつも竜音たつねちゃんは元気ね!!」


 「当たり前よーっ!!私から元気を取ったらなーんも残らないわよーっ!!それよりはるみっちーっ!!?」


 「どうしたの?」


 「ハイターッチ!!」


 突然彼女竜音は友達の女子に対して両手でハイタッチをしたのであった。それを見ていた同じ学校の男女の生徒が見ていたのであった。


 「ははは・・・また虎ヶ島か。」


 「あいつはいつ見ても面白いな!!」


 この明るい女子生徒の名前は虎ヶ島とらがしま竜音たつねと言い、2年ほど前に東北から大阪へとやって来た子である。金髪でロングの髪型をしている女の子でいつもハイテンションで元気な性格なだけにクラスどころか校内の人気者であった。


 「やーっ!!みんなーっ!!今日もジロジロ見ているみたいだけど見物料一人一万円だよーーーっ!!」


 突然竜音はエッヘンとした態度で構えると他の皆に見物料を請求したのだ。勿論ジョークではあるが・・・


 「わーっ!!高ーい!!」


 「ダメだーっ!!払えねーっ!!」


 皆は竜音の言葉に反応するのである。何故ならば皆は竜音が大好きだからだ。


 「払えないなら見るなーーっ!!」


 満面の笑みを見せた竜音の一言に皆が大爆笑していたのであった。


 「はるみっちーーっ!!ごめーんっ!!早く帰ろうよーっ!!」


 「うん!!」


 帰るときも普通に歩く友達に対してはしゃぎながら歩く竜音であった。



 《竜音の家》


 帰宅して2階の部屋でテレビを見ながら爆笑していた竜音の部屋の扉を母親がノックする。


 「竜音~!!晩御飯よ~!!」


 「アハハハハハ・・・ってお母さん!?今から行くよーーっ!!」


 階段を走って下りる竜音・・・どうやら自宅でもハイテンションでいるようだ。


 「いただきまーすっ!!もぐもぐ・・・うまぁ~いっ!!」


 「竜音・・・食事しているのに口を開けるなよ。」


 「ふぁ~いっ!!」


 「(やれやれこの子は・・・)」


 口を開けて元気に食べる竜音に父親は苦笑いをしながら注意をしたのであった。だが竜音はそれでも口を開けてしまうのであった。それを見て呆れる父親。



 この日の夜、竜音は寝ようとしたがなかなか寝れなかったのか家の外にパジャマのままで出て近くの自販機まで歩く。勿論眠たいためかハイテンションではない。


 「あ~、眠たいけど寝れな~い・・・」


 すると竜音の目の前に見知らぬモーニング姿の男性がいたのである。


 「君がこの地元で噂の竜音ちゃんかい?」


 「へ?おじさん誰?」


 「いや~、なかなか可愛らしい子で・・・そんな君に日常の日々が変化する素敵なものを差し上げるよっ!!それっ!!」


 男性が竜音に向かって指を差すとその指先が光って竜音を包んだのである。


 「うわーっ!?」



 すると気がつくと朝になっており竜音はベッドの上で寝ていたのであった。


 「あれ・・・私は何を?ジュースを買いにいく途中に・・・」


 そして起きると特に変わったことはなく、制服に着替えると朝食をいつものテンションで食べていた。


 「うまっ!!こりゃうまいっ!!」


 「竜音・・・そんなんじゃ彼氏出来ないぞ・・・」


 「だ~いじょ~ぶよ!!」


 父親に注意されても相変わらず食事態度は変わらずにいた。そして食事を食べ終えると急いで家を出て学校へと向かう。


 「みなさ~ん、おはようございます!!私は特急たつね号!!ただいまから学校までは止まりません!!」


 足が速い竜音は他の生徒を追い抜いて余裕で到着したのであった。すると草陰に隠れていた二人組の怪しい男性が大きな袋を持っていたのである。


 「あいつか?」


 「ああ・・・あの女だ。早く捕らえないとことになるぞ!!」



 その頃校内ではある男子生徒が鋭い目付きで女子生徒と会話をする竜音を睨んでいた。


 「(虎ヶ島竜音!!あいつを許さん!!)」


 「はるみっちは何が好きなの!?」


 「私は・・・ケーキかな?」


 「そーなんだーっ!!私は・・・イカの刺身かな!!」


 「(おっさんか・・・)」


 竜音の好きな食べ物を聞いて心の中で突っ込む男子生徒であった。


 「はるみっちの趣味は!?」


 「毛糸で服を作ったりケーキを作ったり・・・」


 「可愛いーーっ!!私は自室でテレビ見ながらコーラを飲みながらスルメを食べるのが楽しい!!あと畑仕事も!!」


 「(おっさんじゃねーか!!)」


 男子生徒の突っ込みもむなしくいつのまにか竜音達は去っていくのであった。


 「(くそーっ!!)」


 そしてその日の夕方の校門前で竜音が楽しそうな様子で一人で帰ろうとした途端に二人組の男性達が竜音の頭から袋を被せたのである。彼女を袋に包んで閉じ込めると急いで近くに止めていた車に乗ってある場所へと向かう。


 《ある研究所》


 とある山の中にある研究所に二人組が到着すると袋を地べたに置いてある人物に声をかけたのである。


 「例の女を連れてきました!!」


 するとある男性が現れ、もがく袋の近くにやって来てはニヤリと笑ったのである。


 「この中に例の力を持つ少女が・・・」


 そして袋の封を開けると竜音が怒った表情で出てきたのである。


 「私に何するのよーっ!!」


 「可愛いじゃねーか・・・!!」


 「何このおじさん!?何かごっつい顔してるわ!!」


 「なんだと!?まあいい・・・私は岩野いわの鉄雄てつおという。私は君のとある力に目をつけて実験体になってほしいと思いここに連れてきた。」


 「な・・・何ですって!?」


 竜音は驚いたのである。そして岩野はニヤリと笑ったのだ。


 「ハハハハ・・・怖くて驚いたろう。」


 「す・・・すごく面白そうだわ!!岩野さんっ!!早く私で実験しなさい!!」


 「は?」


 突然目を輝かせてワクワクしている虎音に岩野はドン引きしていたのである。


 「実験しなさいよ!!早く!!誰の提案!?岩野さん?市川いちかわ先生?はたまた闇の帝王!?さあ早く実験しなさいよ!!」


 「・・・・・・」


 「実験してくれないなら・・・」


 「!?」


 「私は空を飛んで自宅に帰るわ!!」


 すると竜音の背中から天使のような大きな羽根が現れたのである。だが・・・


 「・・・これが・・・」


 「あら!!何で私の背中に羽根が!?」


 「気づいてなかったんかいっ!!」


 「まあいいわ!!用事があるから一旦さよ~なら~っ!!」


 すると竜音は羽根で空を飛んで何処かに行ってしまったのである。


 「くそーっ!!逃げられたか!!次こそ捕らえてやるぞ!!」



 一方、空を飛ぶ竜音は楽しそうであった。


 「私、空飛んで~るわ~!!うわああ!!日常の生活なのに日常じゃないわ~っ!!」


 そして自宅前に着地する竜音の姿を見ている人物がいた。それは先程の男子生徒であった。


 「(あ・・・あいつ・・・羽根を生やして空を飛んでた!?)」


 すると竜音は男子生徒に気づいて満面の笑みで手を振ったのである。


 「おーいっ!!!コーイチ君!!また明日ね!!」


 「ああ・・・また明日な虎ヶ島さん。」


 彼も穏やかな表情で手を振っていたが心のなかはすごかった。


 「(あいつ・・・何故羽根を・・・こりゃ面白れえ!!ちょっと観察する価値があるな!!)」


 竜音は何も知らず家の中に入っていったのである。


 「お母さーん!!ただいまーっ!!」


 元気で明るい女子高生の日常的で非日常的な生活がこのときから始まったのである!!



【続】

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