第2話

チャイムが鳴る5分前。これくらいでいい。

友人と他愛もない話を少しして、今日の授業の準備をする。誰かに見られているわけでもないのに、丁寧に。


チャイムが鳴るとみんなが席に着く。クラスは35人。多くもなく少なくもない、普通の。


担任の今日の必要事項を右から左に聞き流して朝のホームルームはおしまい。

1時間目から古典の授業で気が重い私に友人が声をかけてきた。

「おはよう、ねぇ今日すっごく暑いね、これ使う?」すこし、ほんの少し茶色の混ざった髪をまとめて上に結っている髪の毛を揺らしながら、友人が汗拭きシートをくれた。そのくらい暑いってこと。

「ありがと。ほんと暑すぎて嫌になる。」

首もとを拭いて、汗拭きシートのヒンヤリ感を感じながらチャイムが鳴った。


眠気と暑さの戦いの時間だ。

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