第2話昔の記憶
わずかに覚えているのは、性別は男で生まれつきの銀髪。瞳は真っ赤ということは認識していた。
生まれは分からない、両親の顔も分からない。名前すら知らない・・・何故なら、私には名前が無いのだ。しかし、気にしたことは無い。
なにせ、私の姿は普通は見えないからだ。
だが、幽霊と言うものではない。体温も鼓動も正常に動いている・・・なのに、見た目は老いるのは遅く、何故か普通の人間には見えていない。しかし、長きに渡る人生で見たものは人間の醜態・・・卑しく、醜い面ばかり・・・。だから、私は人間を好きにはなれなかった。それに、考えた所で仕方がない・・・誰の目にも私は映らないからだ。
私の姿は誰にも見えないから。気を引こうと何かふざけた動きをしたりしてみても効果はなかった。しかし、物や人に触れることを知ってからは、すっかりひねくれてイタズラをするようになっていた。人に小石投げたり、人間の腕を鷲つかんで見たり、反応を面白がったりしていた。どうせ、私は誰にも見えないからと・・・。
そう思っていた・・・彼女に出会うまでは・・・
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