3年生!

4月。僕は高校3年生になった。1年後には大学生だ。これは真綾も理香も同様だ。そして莉奈ちゃんも高校2年生になった。夏には莉奈ちゃんが僕の妹になって1年になる。それと同時に、父さん原作の『アイドルキング』のアニメ放送が始まった。父さん曰く、3ヶ月で放送できるのは原作の5巻ぐらいまでだという。そして主役は凛さん。莉奈ちゃんもヒロイン役の1人として出演する。


深夜1時。第1話の放送が終わり、明日・・・今日は始業式なのでもういい加減寝ようかなと思った時、凛さんからLINEが届いた。LINEの内容は『1話、見てくれた?』だった。僕は『もちろん見ました!』と返事をする。結局、僕は凛さんとのLINEを終えるとすぐ眠りについた。




そして朝、眠い。莉奈ちゃんは昨日から名古屋にいるので不在。昨夜はイベントがあり、今日は午前中に地元のテレビ番組に生出演するという。まあ、東京からは見れないが。ちなみに明日は大阪で別のイベントがあり、夜には東京へ帰ってくるようだ。


そんな感じで僕は学校に向かった。土曜日にも関わらずだ。ダルい。駅で真綾とと合流するのはいつもの通り。今日は理香もいる。始業式のため朝練がないと言っていた。行きの電車の車中、3人で「そういえばみんな文系学部志望だっけ。じゃあまた、みんな同じクラスになれたらいいね」と言っているうちに学校へ着いた。始業式だ。ちなみに昨日は入学式だったので、月曜日が初めて全学年揃い踏みとなる。始業式はまず、旧クラスの教室で集合し、そのまま体育館に移動し、式を行う。式で新クラスの担任が発表され、その後旧クラスの教室に再度移動し、それぞれの新クラスの発表、そのまま新クラスに移動するのだ。僕の新クラスは3年4組。担任は岩田優いわたゆう先生という若い女性の国語教師だ。そして無事、真綾も理香も同じクラスになることができた。




始業式は午前中に終了した。理香はこのまま部活に参加するので僕は真綾と一緒に帰ることにした。


「そういえば、ソフト部って1年生がもう練習に参加してるみたいだね」


帰りの電車内、僕は真綾にこう話を振られた。確かにソフト部のみならず、他の運動部も入学したばかりの1年生がもう練習に参加しているようだ。理香もそうだった。中学時代、都大会で結構活躍したということもあったんだけどね。結局、理香はいくつかの強豪校からオファーがあったのに、それを断って猛勉強して、中学から僕や真綾が通う高校に進学することになったんだよな。


そして駅に到着し、僕は真綾と別れる前に2人で昼食を食べることにした。高校生の男女2人が一緒に食事をとる光景はカップルそのものだ。僕はふと真綾を見る。真綾も長い黒髪が綺麗だ。プロポーションは理香より少し劣るが、顔も美人で周囲の男子からかなり惚れられてるのも理解できる。結局、真綾に「何食事中、私のことジロジロ見てんの。気持ち悪い」と言われたが。・・・別に僕は真綾のことを異性として意識してるわけではない。でも、『従姉妹なんだから別に狙ってもいいよな・・・』と一瞬思ったが。




昼食を食べ終えると僕はそのまま真綾と別れた。別れ際、真綾は「たまにはこっち帰りなよ。だって私、大和いないと寂しいし・・・」と言っていた。そういえば正月以来、じいちゃん家行ってないな。


そして僕は家に帰るとすぐさまTwitterを開き、莉奈ちゃんがどうしてるかチェックする。早速、今朝出たテレビ番組のことがツイートされていた。そして昼食は味噌煮込みうどんを食べたそうだ。僕は莉奈ちゃんに、『Twitterを見たけど、莉奈、楽しそうだな』という内容のLINEを送る。すると莉奈ちゃんから、『でしょー、色々自慢したいなー』という返信が来た。結局僕はこの日、義妹とのLINEを目一杯楽しんだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る