パーティー!
数日後、僕は凛さんに呼び出され、莉奈ちゃんとともにある場所へ向かった。約束の時間に合わせて2人は夕方に家を出た。自宅から歩いて向かった先は凛さんの自宅マンションだった。凛さん曰く、今日はそこでちょっとしたパーティーがあるという。凛さんがオートロックを開け、エレベーターで6階にある凛さんの自宅マンションに入った。中を見てみると、1LDKの普通のマンションだった。
しかし、僕はパーティーが行われるというダイニングを見た途端驚愕した。なんと人気声優の
彩さん・真弥さん・香織さん、3人とも声優業界ではもうそれなりの位置にいる人気声優だ。僕から見れば彩さんと真弥さんとは11歳、香織さんとは9歳も年上だ。それに、僕自身も3人のことはよく知っている。みんな個人的にも好きな声優だ。3人がいなかったら今の僕は別の人間になっていたのかもしれない。
そして、今絶賛売り出し中の若手声優である凛さんですらまだこの3人には及ばない。声優歴3年目でこの春から声優事務所に移籍、これから本格的に声優としてのキャリアを歩む莉奈ちゃんもいずれは凛さん、そして3人のような立場になるのだろうか。
凛さんはもう業界慣れしているのか3人とは普通の先輩後輩のように話し合っているが、莉奈ちゃんはまだ慣れてないのかかなり緊張している。僕は莉奈ちゃんに、「初対面なの?」と小声で話す。すると莉奈ちゃんは、「3人とも一緒に仕事したことあるけど、裕奈さんも真弥さんも香織さんもみんな尊敬しているし、目標の先輩だから・・・」と言った。
そして凛さんが事前に頼んだという料理の宅配が届き、パーティーが始まる。パーティーが始まると、彩さん・真弥さん・香織さんは早速ビールを注いでいた。そして机には日本酒や焼酎もある。パーティーが始まった途端、ビールを一杯飲んだ凛さんは「大和くんと莉奈ちゃんも飲んでみる?」と言ってきたが、僕は「高校生に何を飲ます気ですか!」と言った。
パーティー開始から3時間が経った。時計を見ると夜の9時になっていた。食事はみんな食べ終えたが、パーティーはいつしか飲み会となり、4人はすっかり酔い潰れていた。その間、彩さんは「暑い」と言い出し下着姿になり、香織さんには「大和くん、私の彼になって~」とキスを迫られた。結局、素面なのは未成年の僕と莉奈ちゃんだけになった。2人で4人をどうするかと考えた結果、放置して家に帰るのは危険だと判断し、4人の酔いが覚めるまで凛さんの家にいることにした。
30分後、4人はやっと酔いから覚めた。そして4人はそれぞれ、
凛さん「そういえばなんか食べてビールと日本酒飲んでたらその後の記憶が・・・」
彩さん「なんで凛ちゃんの家にいるの?あっ・・・」
真弥さん「私、なんで下着姿に・・・(すぐ床に置いてあった衣服を着る)」
香織さん「大和くん、なんかごめんね・・・」
と言った。そして僕は4人に、
「4人とも飲みすぎなんですよ。とりあえずウーロン茶を注いだので飲んでください」
と言った。そして凛さんには、
「僕と莉奈はもう帰りますんであとは自分で何とかしてくださいよ」
と言った。すると凛さんは、
「大和くんも心配性だね~そこまで気にしなくてもいいのに。彩さんと真弥さんは私と同じマンションに住んでいるし、香織さんもすぐ近くの実家に住んでいるの」
と言った。それに対し僕は、
「なんかすみません・・・3人がどこに住んでいるかわからなかったもんで」
と言った。
そして帰る前に凛さんに勧められて、彩さん・真弥さん・香織さんとLINEを交換した。憧れの声優さんの連絡先を知ることができたと内心興奮した反面、3人とも歳が離れているから多分恋愛までは発展しないだろうなと僕は思った。
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