小さな命〜動物病院日誌〜

ひよく

運命の子猫

またひとつ

小さな命がやって来た


片方の前足がちぎれかかった

小さな子猫


傷口は腐り

蛆がわき

骨が露出していた


それでも懸命に鳴いていた

生きようとしていた


その声は

とある優しい一家の耳に届く


助けてやってください

私達が見つけたのは何かの巡り合わせです

命さえ助けてくだされば

うちで一生面倒みます


こうして

子猫の命を救うための

足の切断手術が決行された


手術は成功し

子猫は助かった


子猫はみるみる元気になった


そして退院と同時に

子猫は優しい一家の家族の一員となった


お前は片方の前足と引き換えに

一生分の愛情を手に入れたんだよ


そんな言葉で病院を送り出された子猫は

今スクスクと成長している

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