部屋

一つ一つ


できれば

両手で持ちたいし

目の手の耳の届く範囲に置きたいし

日々を机に並べていく


きちんときちんと


棚にあるのは電波の箱

何かしなくちゃと思わせる程度に近くて

何もできないと諦める程度に遠い

出来事を流してる


ザラザラ、ザラと


電波が流れるたび

楽しかったり苦しかったり

机に並べた日々を

ドミノ倒しみたいに散らばした


また、並べ直す


ああでも

あの電波はノイズ

なんで本当だと

思ったんだっけ


いつか


ノイズを消した出来事が

机の上に現れたら

日々のそばに

並べられることもあるだろう


今は


一つ一つ、一つ一つ

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