第477話すぐやるがモットー
ようやく新しいマンションへの引越しの日が来ました。
女房は向こうのマンションの片づけで今日はイライラしています。
透析人間の私では役に立たないのです。
午前中に車椅子の義理母と女房を乗せて新しいマンションに運びます。
昼からは大慌てで編集会議に出席します。
「では彼女に新しいネットフリーペーパーの検証を発表してもらいます」
編集長が指した子は去年新卒で入って来た女子大生です。
編集長の話では自ら手を上げてここ半月かかって調べたようです。
編集室は編集長1人で初めて5年経って今や8人の所帯になっています。
「先月の閲覧回数は120万を超えました。訪問者は70万で数字的には目標以上です。でも先々月の訪問者で続けて見たのはまだ20万と定期購読の形には至っていません」
レジメには詳しいグラフが出ています。
「提携会社がアンケートを採っているので調べて見ると、紙の年齢層が50代が40%60代が30%と中高年が中心ですが、ネットでは30代が35%20代が25%40代が15%と」
「やはり若者はネットを50代以降は紙だな」
「でも紙もネットも『半農半x』のシリーズが視聴率はともに50%を超えています。レストランシリーズはネットがさすがに30%です」
「思うのだけど新聞とネットが全く同じ記事でいいのかしら?」
編集長が疑問を投げかけます。
「これもアンケートですがネットの読者は『就農』キーワードを求めています」
「少しネットと記事を変えてもいいかな?」
私もレジメを見ながら思っていたのです。
「じゃあ、『就農』のシリーズを始めて見るかあ。誰がする?」
「私にさせてください!」
「じゃあ、私がチェックするわ」
編集会議はすぐやるがモットーです。
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