第476話再びの労働裁判
ドライウエイトを上げたらようやく低血圧と足の吊りは治まっています。
融資の内諾が出て先行きに明るさが見えてきました。
助成金に頼らなくなりましたが銀行付き合いが要注意です。
理事長が遂に話し合いを放棄して総務部長を広報の一人課長に降格しました。
即座に彼は労働裁判に訴えました。
私は労働裁判の長い辛い歴史を経験しているので理事長から話をしてやってくれとお鉢が回ってきました。
ノックをして今まで使われていなかった物置になっていた理事長の応接室に入ります。
「少しいいですか?」
私はコーヒーを2つ手にして座ります。
「君がここに来た時、いやな予感をしていたよ」
総務部長はその時から私の考えと正反対で60歳で行政から天下りで来ていて今はもう67歳になったと思います。
「NPOに在籍しながらの労働裁判は大変ですよ」
「いやこちらに移動になる前も提訴した」
「公務員の時のようなわけにはゆかないです」
すでにNPOには天下りの社員はすでにすべて退職しています。
「部長はどうしようと考えているのです?」
「NPOの本来の姿に戻すべきだ」
「あるべき姿とはどんなものですか?」
「公共的で利益を上げてはいかん」
「では助成金でぶら下がるのですか?すでにそのタイプのNPOは7割が消えています」
今回理事長が降格と給料を下げる指示をしましたが、私は給料は下げないで置いています。
この辺りが不当処分のポイントになるのです。
「できるだけ話し合いでと考えているのでまた寄ります」
反対側の立場になるのは奇妙な気持ちです。
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