第470話死に顔
朝一番女房の携帯が鳴って私は透析に行く準備をします。
最近義理母が家で倒れて起き上がれないことが起こってここ3日泊まり込んでいたのです。
「大変!これから家を回って病院に行けるかな?」
「どうしたんだ?」
「父が危篤だって」
私は車を出して透析クリニックに透析の延長を依頼して義理母を迎えて病院に走ります。
「どうして危篤なの?昨日は移る病院を探すように言われてたのに」
義理母の車椅子を押して病室に行きましたが義理父のベットは空でした。
「ナースセンターの隣の部屋に来てください」
と看護婦に言われて私が救急車で運ばれた胃潰瘍の時を思い出しました。
私は再建中に血を吐いて運ばれたのです。
この日から最後の社員が私を見放して私の席が永遠に消えたのです。
部屋に入ると義理父は安らかに眠っているようでした。
先生が看護婦を伴っていつの間にか部屋に入ってきています。
「家族の方が揃いました」
「ではお亡くなりになられた時間は・・・」
どうもすでに夜中に息を引き取っていたようです。
安らかな眠りに見えます。
あの頃の私ならば死ぬに死ねない顔をしていただろうなと思います。
仕事一筋でしたからもうやりつくしたと思っているのかもしれません。
すべてを失った私ですが何かをしようと思っています。
式場を手配して透析の私だけ泊まり込みをせず家から透析をしながら式場に通います。
まるでこの4日は時間が止まったようです。
お疲れさまでした。
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