第469話第2の人生のやりがい

今日は妻は朝父の着替えを持って行って、昼からは母を連れて介護施設へ行っています。

私は今日は重要な理事会での説明会がありますが透析後久しぶりに低血圧で倒れてしまいました。

「後500グラムは上げないと駄目ですな?」

この透析クリニックに来てもう3キロ肥えたことになります。

働いていた頃のジーパンのベルトの穴がもう限界です。

仕方がなく予備のベットで30分横になってタクシーを呼んでもらいます。

会議室に入ると心配そうに補助で入っている編集長が私の席を空けます。

「いつものことだが、NPOがどうしてこんなベンチャーまがいのことをするのだね?」

この人は最後の反勢力のボスで元府会議員で理事の3割を纏めています。

「前回までフリーペーパー事業を推進する合意を頂いていた延長なのです」

利益を出すNPOに反対する理事でこの3年間大変な抗争があり理事も半分、社員も7割入れ替えを行いました。

編集長が1週間かかって2人で作ったレジメを理事に配ります。

「現在3期連続上げた利益に付きましては新NPO校舎の費用と会社並みの給与アップに使用しました」

今までは公務員の天下りの給与の高さとそうでないボランテァ並みの薄給の格差で不満に満ちていたのです。

それに何をするのも助成金頼みで思ったことが全くできなかったのです。

「今回の業務提携は新たな資金が必要なものではなく、今後他のNPOのフランチャイズ資金の元になります」

この調子で私は編集長が映し出す映像を説明します。

何だか会社時代を思い出してしまいます。

血の気が半分なくなって1時間が終わりにこやかに理事長が採決をしてようやく過半数の賛成を取り付けました。

取りあえず私は2級の身体障碍者です。

「水を飲んでください。血圧を測りますね?」

でも私は第2の人生のやりがいを見つけました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る