第452話被告会社の新会社移行

妻と息子と久しぶりにじっくりと話しました。

それで妻は1か月後パートを辞める決意をしました。

だが透析暮らしの年金生活者の私には将来が心配でなりません。

それに裁判中の会社は遂に2代目に移行を発表しました。

ワンマン会社のブラック企業ではどうなるのか?

心配になって相棒に携帯を入れます。

「悪いな今いいか?」

「ええ、ハローワークです」

彼は会社から損害賠償裁判で訴えられて1審で敗訴し給料の仮差し押さえされてやも得ず退職しています。

「どうも新会社を作って社長は古い会社に残りすべて新会社に移行してますよ」

「新社長は?」

「やはり息子ではなく従弟ですわ」

私のいた頃から親子に強固な確執がありました。

「弁護士に聞いたのですが、裁判は新会社に移行するようです。どうも個人資産を会社から切り離したようです」

倒産もあるかもしれない!

すでにこの会社は私が解雇された頃から売り上げは半分に落ちて赤字になっていると聞きます。

どこで和解するかだな?

携帯を切ると弁護士に入れます。

「裁判官は変わりましたか?」

「ええ、通知が来ましたが引継ぎはまだです。今までの女の人と違ってかなり強引な人のようです」

「会社の不安もあり和解も検討したいのですが?」

「そうですね。ちょうど債権額の変更時期ですので思い切って上げて見ますか?もちろん印紙代がかかりますが?」

「一度提案をください」

携帯を切ると理事長室に最後の調整に入ります。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る