第434話訴えの変更
NPOの校庭に畝が見渡す限り続いています。
半農半xの事業が始まって半月が立ち、4つの教室の生徒が毎日耕しています。
「この芽は何ですか?」
「ブロッコリーと白菜ですね。室長は鞄を背負ってこれから?」
「梅田まで歩きます。明日はイチゴの苗が届くそうですね?」
編集長には労働裁判を続けていることは伝えていません。
弁護士のビルに入って薄っすら掻いた汗をぬぐいます。
「今回弁護士の東京の社長とも話して訴えの変更を行います」
「訴えの変更?」
私は新しい用語が出てきたら執拗に聞くことにしています。
法律用語は一般の理解とずいぶん違うことが多いのです。
「請求の拡張・請求の減縮を言います。当初解雇無効で争った時は7百万を想定し印紙を貼っていましたが、現時点での争いを計算して今回3千5百万の請求に変更します」
「そんな金額になるのですか?」
「解雇になった日からあなたの給与は今まで払う計算になります。これに法廷の利息がかかります。どうも相手の弁護士も被告もこの金額を理解していない節があります。これは裁判官とも話をしています。ただし9万ほど印紙代が要りますが?」
今はお金がかかるのは辛い話です。
「もちろん判決はまだ出ていないのですが、被告から出た反論はもう尽きてきたとみています。最後の60歳定年もこちらの主張が通りそうです。被告が考えそうな引き伸ばしも限界ですし、次は控訴だろうと思われます」
そうです。この会社は引き伸ばし作戦が得意です。
「時間が延びれればこれからは1年毎に1千5百万増えると言う脅しですね?」
ようやく時間が私の見方をしてくれそうです。
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