第424話血圧低下と失神
「どうしたのですか!?」
編集長の声で目を覚ましたようです。
「ここは?」
「ビルの中の内科のクリニックですよ」
「どうしたのですか?」
時々ビルのエレベーターで顔を合わせていた女先生です。
「失神をして頭に大きなたんこぶができています。彼女から透析をしていると聞いたので一先ず安心をしましたよ」
「再入院ということは?」
「これは透析後に起こる血圧低下です。下が60まで下がっていましたね。血圧低下は透析中やその後に起こりやすいのです」
透析後1時間も歩いてここに来ました。
「血圧が下がるとあくび、吐き気、嘔吐、頭痛、動悸、冷汗などの症状がでたり、時に失神などを起こすことがあります。どうでしたか?」
「あくびが妙に出るなあと思っていました」
「一度ドライウエイトを先生に相談されては?もういいですよ」
それでも編集長は心配して腕を抱えて部屋に連れて行ってくれます。
「どうした?」
部屋には理事長がコーヒーを飲みながら待っています。
「たんこぶを作りましたよ」
「歩いてくるのはどうかと思うよ。この計画どう思うか聞きに来たのだ。すでに理事たちには反対されてしまったがなあ」
「この建物を借りて何をするのですか?」
これは古い図書館の再利用の依頼を不動産部に依頼されている案件です。
理事長は手書きの再利用計画書を見せます。
「シニア大学ですか?」
「壮大ですね?」
「これからはシニアが働き手になる。だが今のままではシニアは定年退職のポンコツの道しかないのだ。もう一度自分の道を見つけてもらう」
「これってNPOの移転計画でもあるのですね!?」
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