第411話芽が出る
「室長いつも何を内職されているのですか?」
編集長が私のパソコンを覗きこんで声をかけてきます。
「がん治療を終えて透析に入った時に今迄に一番やりたかったものを始めようと思ったのです」
「それは?」
「小説ですよ。学生時代は小説家になりたいと思っていたのですが、逆にベンチャーとして走り続ける結果になりました」
「へえ!小説を書くんですか?」
編集長には意外だったようです。
「読ませてもらっていいですか?」
「恥ずかしいが」
と言って空室事業の部屋に移ります。
今日は全員が不動産業者を空室のパンフを持って訪問しています。
ネットもアナログの汗が必要なのです。
「ようやく彼らも仕事が見えてきたようですよ」
独りIT社長がシステム構築で週に1度来てくれています。
「アップした棟数も50棟になりました。とくに業者のアップが増えています。パンフからのアクセスが多いです」
「これから実績が見えて来ます」
思ったより結果が早いかもしれません。
「どうですか?」
「ようやく芽が出ますね」
「室長この小説連載しません?」
「無理をしなくても?」
「面白いですよ!」
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