第404話逆転勝訴!
女房はパン焼きのパートが相当草臥れるのかもう夏ばて気味です。
「老後を考えたらぞっとするわ」
そう言われると心が折れます。
透析は死ぬまでの永遠の繰り返しです。
その中で常に何か新しいことに目を向けられるのかそれが一日の一歩になります。
汗をぬぐいながら大川沿いをこれも飽きないで歩きます。
「どうもホテルの社長のチームが勝訴したようですよ」
珍しく相棒の部長のメールが入っています。
この裁判は刑事裁判から始まって不起訴になり、民事でも1審は敗訴しました。
私の労働裁判の元となる事件なので何度も証言台に立ちました。
「いやご無沙汰です」
社長たちの担当弁護士です。
「あなたの証言が認められ高等裁判所で逆転勝訴です。会社側が提出してきた証拠があなたのパソコンのデーターからねつ造と判断されました」
「おめでとうございます」
「また最高裁で争うことになりますが。でも勝訴判決を送りますよ。きっと労働裁判の有利な証拠になりますよ」
歩く足が軽くなったような気がします。
編集室に入るとホワイトボードに電鉄の地図が貼っていて選挙さながら完了の花が咲いています。
「若い子たちは主要駅に張り付いています」
そうです今日からフリーペーパーの配布が始まりました。
思わずかかってきた携帯に励ましの言葉を叫んでいます。
「なんだか室長今日は元気ですね」
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