第375話アルブミン

10日に1度くらいの割合で透析クリニックでは血液検査があります。

ある意味では健康管理には抜群の環境だと思えます。

これでカリウムが高かったり、リンが高かったりで薬を服用しています。

「アルブミンが高いですね」

「問題があるのですか?」

「Alb:アルブミンはアルブミンとグロブリンの比がA/G比です。アルブミンは血液の浸透圧を保ったり、種々の物質を運送するなど、身体の中で重要な働きを担っています。 なお、血清中にはこの他にグロブリンGlbその他の蛋白質も含まれています。血清アルブミンが減少する原因には、

(1)合成の低下(肝硬変、炎症性疾患)

(2)尿、大便、分泌液などへの漏出(ネフローゼ症候群、吸収不良症候群、火傷)

(3)代謝亢進(こうしん)(甲状腺機能亢進症、炎症性疾患)

(4)栄養不良(低栄養)などが考えられます」

先生は説明を始めると止まりません。

「この数値では非常に健康状態がいいということです」

透析を終えて歩いて久しぶりに先輩のシニアNPOの理事長に会いに行きます。

「NPOは大変だそうだな?」

「もう噂になってるのですか?」

「そりゃ今回の助成金の打ち切りはNPOにとっては命とりだ。もともと助成金が柱でNPOが運営されてきたからなあ。うちのところも半農半xの教室があるから何とか黒字だ」

「あのNPOは行政の天下り先なので今回は大変です」

「もしあれなら編集室ごとこちらに来ていいぞ」

ともう飲むマネをして立ちあがっています。

銀行時代は平と支店長のコンビで京橋の立ち飲み屋に寄っていました。

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