第363話リーチをかける
今日は争点整理案の法廷日です。
透析前に弁護士から最終の確認の携帯がありました。
原則的に裁判官の整理案に同意で臨みますとのこと。
透析が終わると駆け足で一人IT社長の事務に向かいます。
透析をしてから一層歩くことに重点を置いています。
残りの透析人生を少しでも長らえるには基礎体力しかないと気づきました。
奥さんがお茶を入れてくれます。
小さな部屋に商談テーブルも入りました。
「今日は提案を持ってきました」
昔勤めていた会社の若い女性社員が編集部の紹介できました。
「和菓子の企画を拝見して非常に面白いと」
これは新製品の和菓子の袋にバーコードを入れてアンケートに答えてもらって次回ただの券を携帯上に配るというものです。
一人IT社長がクライアントの了解をとってアンケートの内容と売り上げの伸びのグラフを見せます。
「これは従来のこの会社が新製品に掛けた経費と売り上げの記録ですが、今回は経費が3分の1で2倍の売り上げ増です」
これは私が整理してきたレジメを見せます。
「やはりそうですね。私の上司が面白いと言ってました。それでわが社のベンチャー誌ですが、新商品紹介のコーナーにこの企画を取り入れたいのです。もとろん予算があるのでこの枠でどうでしょうか?」
「記事中にバーコードアンケートを入れて同様の仕組みを入れるわけですね?公表は次回の時に載せるわけですね?」
彼はそう言いながら予算を見てにやりとしています。
1回に50万は悪くありません。
「出来たらその会社の今後の商談はまかせて貰えますか?」
「当社は記事以外にはタッチしません」
私はここぞのチャンスにリーチをかけました。
彼はこのことは分からないようです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます