第345話向かうべき方向
女房はパン作りで体力を消耗しています。
「まず3か月頑張ってみることや」
新会社を転々としてきた私の経験を話しますが、本来は私が頑張れなかったことが原因です。
だから励ましするしかありません。
現在は扶養家族です。
調子がいい時はできるだけ1時間歩いてNPOまで行きます。
今日は臨時の打ち合わせ会議です。
一人IT社長と編集長と事務長と丸テーブルに掛けます。
「ベンチャー誌にはすでに必要な資料は送りました。映像には撮り直ししたいと昨日カメラマンが来ました。そこで映像に関しての注文を彼に見てもらっています」
「それについては今後撮影する時に倍ほどの予備映像を用意します」
「こちらは教えるに力点を入れていますが、ベンチャー誌は事業としてとらえています。この点ではまだNPOでは手探り状態の部分です。向かうべき方向を持たなければならないと思います。この会社の特性を良く知っている私が叩き台を作るべきですね」
「どこに持って行くつもりかな?」
事務長は元銀行の総務部長です。
「調べてみましたがここの本社は農業進出のチームをすでに作っています。農業をベンチャー事業ととらえています。そこをこちらもしっかり押さえておかないと提携は危険です」
「私も同感です」
「どうかな?」
ドアが開いて理事長が顔を出します。
理事長は近畿財務局とベンチャー企業のパイプを担当してもらっています。
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