第330話低カルシウム血症

恐れていたこと、経理課長の錯乱に巻き込まれたことです。

結局、彼と不動産部長と相棒の部長が書類送検されただけではなく、

弁護士は経理課長の担当を降り会社の損害賠償裁判は欠席裁判になるようです。

更に彼の奥さんが離婚を申し立てたようです。

貧すりゃ鈍するの状態です。

「低カルシウム血症を起こしていますね?」

馴染になった看護婦が定期的な血液検査の数値を見せて説明します。

「最近手足が痺れるということは?」

「ええ、寒くなったのでと思っていましたが、手先と足指の先が痺れています」

「おう吐や悪心は?」

「寝ているときに気分が悪くなって」

「カルシウムの吸収障害を起こしてますね。ビタミンDの摂取不足や活性化ビタミンDの産生障害ですけど、腎不全の患者さんによく起こる症状です」

それで医院長に相談に行ってくれます。

「今日から活性型ビタミンD製剤を服用してください。それの数値を見て」

いつの間にか薬がどんどん増えてきています。

とにかく透析は死ぬまで続きます。



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