第329話オールブラック
「あの会社も社員もブラックなのね。巻き込まれないようにしなっくっちゃ」
今日でスーパーのパン屋の研修は終わり打ち上げで食事をしてくると女房は出て行きました。
私は一人IT社長の企画提案に赤を入れてメール送信してH署に出かけます。
「あの時ぶりですなあ」
ホテルの刑事事件で取り調べをした知能犯の刑事です。
「どうしてここなんですか?」
「あの自宅は表向き会社の寮になってるからね。それにあの会社はややこしいので私にお鉢に回ってきたわけですよ」
ファイルとネットに繋がらないノートパソコンを置いて、
「不動産部長もホテルのあなたの部下もお金を受けとっていましたよ。あの経理課長は脅されたと言っているので恐喝になりますね。合意と言っていますがどうですか?」
「私は係っていないので知りません」
「経理課長の証人を拒みました?」
「ええ、在職中注意はしましたが一人で抱え込んでしていましたから」
「相手の社長は指示をしたこともない。金を使い込んだと係争中だと」
「在職の社員は?」
「専務と総務部長は彼が金を抜いたと言う証拠をびっしり並び立てていますよ。怖い会社ですな」
この刑事も会社ぐるみの脱税だとは分かっているはずです。
「被害額は500万ほどです。支払いの話が決まれば初犯なんで懲役はつかないだろうと。そちらはまだ労働裁判やられているのですか?」
「ええ、うんざりです。この会社はオールブラックです」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます